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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチのシェアリングネイチャー No.152-159〈今年も会えました〉(2021.6.19)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-159

〈今年も会えました〉

大好きな花、"キキョウ"が咲き出した。まだ一輪だけだが、緑一色の畑には青紫の花が目立つ。「好きな花は何ですか?」と聞かれたら、真っ先にこのキキョウを挙げる。何と言ってもこの色は他にはない。決して出しゃばらず、自己主張せず、それでいて他にはない自分自身を確立し静かに風に揺れている。食用にも薬にも、勿論観賞用にもなるオールマイティーな花だ。じっと見ているだけで心に静寂が訪れ平安な心持ちになる。
蕾が風船を膨らませたような形をしているところから、英名は「Balloon flower」と呼ぶとのこと。

小さなクモが花の先に止まっていた。彼にとってはこの花が生き残るための狩場になるのだろうか?霧雨が降りしきる中、1年ぶりの再会に心が弾んだ。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.19 NO152-159 今年も会えました.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-158〈今日、今だけの雲〉(2021.6.18)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-158

〈今日、今だけの雲〉

カーテンを開けるとまぶしい光が飛び込む。朝からスカッと晴れて昨日の荒天がウソのようだ。いつもの散歩コースを歩くと、カタツムリやクモがヒョッコリ顔を出している。コウゾのオレンジ色も雨に洗われてピカピカに輝いている。だが、今日の主役は何と言っても雲だ。畑で見た時には、青空をバックに東から西に向かって薄いすじ雲が何本も走っていた。特に嬉しいことがあったわけではないが、この雲を見たら何だか"シアワセ"のデザートが空一杯に浮かんでいるようで嬉しくなった。

次に公園に移ったら、今度はシアワセの触手が四方に伸び、空一杯にシアワセが広がった。そして家に着く頃はチリヂリになり、雲散霧消してしまった。今日だけの、今だけのシアワセ雲。この瞬間を大事にしたい。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.18  NO152-158 今日、今だけの雲.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-157〈どろんこ遊び〉(2021.6.17)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-157

〈どろんこ遊び〉

今日は園児たちと山遊びの日。朝は雨が降っていたので、山遊びは無理かなと思っていたら、どんどん晴れてきた。多少ぬかるんではいるがこのチャンスは活かすしかない。一緒に活動しているTさんと相談し、急遽"どろんこ遊び"に方向転換。どろで作ったおにぎりやくし刺し団子、かしわもちなどを見せ、食べる真似をするととたんに顔がほころぶ。「よし、じゃあ早速作ろう!」とぬた場に連れていくと、我先にと走った子が案の定スッテンコロリン。ニカ~っと笑って白い歯を見せた。園児たちはすぐにどろ遊びをするかと思ったら、滑るのが楽しく、キャッキャ言いながら滑って遊んでいた。できれば裸足にさせたかったが、先生が大変なので今回は止めた。その後は団子を作ったり、かしわもちを作ったり、、、、。サラサラの土が水分を含むとこんなにグニュグニュ、ベチョベチョになることを遊びながら気づいていく。そんな中、「さわりたくな~い」という子が23人いた。手はきれいなまま。「洗えばすぐにきれいになるよ」と言ってみたが、ダメだった。もちろん無理強いはしない。そんな子がいてもいいのだ。ただ、先生には園児と一緒になってどろんこ遊びに興じ、一緒に楽しんで欲しかった。端から見ているのではなく作った団子を見せあって、「ほら、先生もお団子作ったよ」と分かち合って欲しかった。そしたら、嫌がっていた子も少しは触ってみるかもしれない。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.17 NO152-157 どろんこ遊び.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-156〈視覚を閉ざして〉(2021.6.16)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-156

〈視覚を閉ざして〉

毎週火曜日は短大の授業で「アウトドア演習」という講義を持ち、ネイチャーゲームを実施している。この日は〈目かくし歩き〉を体験してもらった。デモを見せた後、ペアを組み一人15分程度の目かくし体験をする。視覚を閉ざすことでそれ以外の感覚を研ぎ澄まし、周囲の自然を感じるのがねらいだ。誘導する側は足元の段差や障害物に気を配り適切な声かけをしながら安全に誘導する。普段通いなれたキャンパスでも、目かくしをすることでそれまで気づかなかったものに気づくようになる。"触る"、"匂いを嗅ぐ"、"音を聞く"体験をする中で見るだけでは気づかない、ものの"本質"に気づけたらねらい達成だ。とかく外見を気にしがちな若い学生さん、うわべだけでなく、見えない部分にこそ目を向けられる保育士さんになってくれたら嬉しい。

〈学生の感想〉

・目隠しをすると世界が今までとは違ったみたいで面白かった。特に草や土の多いところはフカフカしていて楽しかった。自分で目隠しをしてみないとベタベタしている葉があることや木の皮の感触に気づけなかった。

・目が見えてないと怖いことも多かったけど、普段なら気がつかない細かい発見もあって面白かった。

・目を隠すことで他の感覚がいつもより鋭くなっていた気がした。相手を安全に誘導するのが少し難しかった。

・普段触っているものが目が見えない状態だと知らないものを触っている感じがした。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.16 NO152-156 視覚を閉ざして.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-155〈食う食われる関係〉(2021.6.15)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-155

〈食う食われる関係〉

畑仕事をしていたらトンボが竿の先に止まった。オニヤンマ?コオニヤンマ?それとも別のもの?確かな名前は分からないが、とにかく大きくてかっこいい!望遠レンズで寄っ てみたら、翅の模様に目が行った。レンズ越しではあるがこんなにまじまじと見たのは初めてだ。薄い翅の模様は飛ぶための構造になっているのだろうが、それぞれの模様は理にかなった配列や形、大きさになっているのだろうか?見れば見るほどその美しさ、繊細さにただただウットリ!こんな翅で大空を飛び回れたらさぞ気持ちいいだろう。

そして、事件はその10分後に起こった。先ほどのトンボが、またやってきた。しかも、口には何やら咥えている。動きが早かったが、その模様から多分キアゲハだろう。時々畑に飛んでくるキアゲハかもしれない。どこかに止まって食べるはずと目で追ったが見失ってしまった。小さな蚊やハエを食べるのかと思ったら、こんなに大きなチョウも餌食にするのだ。自然界ではこうして"食う、食われる"関係が毎日当たり前のように繰り広げられているのだ。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.15 NO152-155 食う食われる関係.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-154〈三日空けると・・・〉(2021.6.14)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-154

〈三日空けると・・・〉

先週金曜日から日曜日までネイチャーゲームの講座があり三日間家を空けた。つまり、三日間畑に行かなかった。今朝畑に行ってみると、確か花が咲いたばかりだったはずのキューリが、もうここまで大きくなっていた。ナスもまだまだ小さかったのに食べ頃になっている。そして、サツマイモの苗床では、床いっぱいに葉が生い茂り枠からはみ出していた。このところ真夏日に近い日が続いたので、夏野菜がグングン成長し、三日も空けると"あらら~"となってしまう。

特にビックリするのはズッキーニだ。以前も紹介したが、葉っぱの陰に隠れて見逃していたものがググーンと大きくなって、ふんぞり返っていた。普通サイズと比べるとこんなにも大きい。持ち帰って計ってみたら、普通サイズは220g、ビッグサイズは1kgの秤では計れず別の秤で計った。なんと、1,320gもあった。チョイ6倍近い重さだ。これだけ大きくても柔らかく勿論味も変わらない。が、とてもとても一度や二度では食べきれない。結局畑の土になってしまうのだが農家あるあるの話だ。今日から梅雨入り、高温多湿で益々植物が延びる時期。「雨だから」なんてさぼっていると野菜も草も手に負えなくなる。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.14 NO152-154 三日空けると・・・.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-153〈ドクダミの虫よけ〉(2021.6.11)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-153

〈ドクダミの虫よけ〉

ドクダミの虫よけを作ってみた。花が咲くこの時期が一番いいと聞いたので62日、畑の近くで咲いていたドクダミをしこたま取ってきた。花だけを漬ける人もいるらしいがレシピでは花も葉も全部入れて大丈夫とあったので、手抜き法でやることにした。梅酒用の瓶にドクダミを入れ1.8lのホワイトリカーを注ぎ込んだ。が、材料が多すぎたのか、アルコールが足りない。すぐに900mlのホワイトリカーを買いに行き追加投入した。1週間もすれば使えるというので、10日後の今日早速容器に移してシュシュッと腕にかけてみた。ドクダミのあの匂いは全くせず、なにか爽やかな匂いさえする。明日から屋外での実習があるので早速試してみようと思う。これで効き目があればドクダミの見方も変わる。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.11 NO152-153 どくだみの虫よけ.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-152〈コウゾの実〉(2021.6.10)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-152

〈コウゾの実〉

コウゾの木がオレンジ色の実をつけて風に揺れていた。毎年同じ場所で見られるので、「ああ、今年もコウゾの実が生りだす季節になったんだな~」と、時の流れの速さをしみじみと感じる。コウゾの実は食べられる。甘くておいしいのだが、雄しべの花糸が口の中に残り少しざらつく。なので、2~3粒食べれば十分だ。見た目はキイチゴのようだが、酸味と甘みのバランスが程よいキイチゴには叶わない。甘さは合格点だが、口に残るざらつき感は大きなマイナス要因だ。だが、山歩きをしている時にこの実に出くわしたら、迷わず口に入れる。同じ仲間の桑の実とは見た目も味も異なるが、これはこれでよしとしよう。いろんな味があるからこそそれを好む鳥や虫たちのエサになり、タネの散布に役立っている。別に人間が食べて旨いかまずいかはどうでもいいことなのだ。

コウゾは、ミツマタと同じ和紙の原料になると、昔どこかで習った覚えがある。だが、コウゾのどの部分をどう使って和紙にするのかまでは知らない。数年前、小国(新潟)の 和紙工房でコウゾから繊維を取り出し和紙にするまでの行程を見た時、"なるほど、そうだったのか"と納得した。和紙は結構いい値段がするが、作業工程を見ると高くて当たり前と思う。安価な商品についつい目が向いてしまうが、和紙に限らず本当にいいものはそれだけ手間暇がかかっているのだ。赤い実の少し口に残るざらつき感が、"安易に安物に流れるなよ"と戒めているかのようだった。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.10 NO152-152 コウゾの実.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-151〈不思議な不思議な・・・・〉(2021.6.9)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-151

不思議な不思議な・・・・〉

畑で何とも不思議なクモを見つけた。干しておいた手袋に付いていて、ゴミかと思って払いのけようとしたら動いたのでビックリ!逃げずに手袋に付いたままだったのでカップに入れて観察することにした。だが、ずっと固まったままで全貌が分からない。無理やりカップを振ったらようやく足を出した。足も8本あるしクモであることは間違いない。が、またすぐに長い足を器用に折り畳み固まってしまった。名前を調べてみようとポケットタイプのクモ図鑑で調べたがどこにも載ってない。パソコンでもいろんなキーワードで検索したが出てこない。仕方なく、横沢入り観察会でお世話になっているSさんに画像を送り、調べていただいた。返ってきたメールには"ゲホウグモ"とあった。確認のため、クモに詳しいKさんにもお聞きしたとのことでゲホウグモに間違いなかった。ゲホウグモ、何とも奇妙な名前で、漢字で調べたら"外法蜘蛛"。初めて聞く"外法"とは何かと調べたら、1:仏法以外の教え、異教 2:髑髏(どくろ)を用いて行う妖術 3:髑髏とあった。足を折り畳んだ格好が髑髏に似ているところからの命名らしい。固まった大きさはせいぜい1センチほど。こんな色、形でいたらまず気づくことはない完璧な擬態だ。それまではクモなどには無関心だったが、観察会でその不思議な生態や生き様を知るにつけ、同じ地球上の住人として関心を持つようになった。そのお陰で今回の発見につながった。そもそも、無農薬で野菜を育てていれば害虫退治でクモのお世話になっているのだ。もっともっと、"お近づき"になってもいい。このゲホウグモ、夜に張った網は翌朝回収するという習性があるとのこと。張った網と回収作業を是非見てみたいものだ。

▶PDF版をダウンロードする 2021.6.9 NO152-151 不思議な不思議な・・・・.pdf

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