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2021年1月の記事一覧

イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-36〈寒中花開く〉(2021.1.20)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-36

〈寒中花開く

今日は大寒、1年で最も寒い時期(のはず)。

最低気温はマイナス3℃あたりを示していたが、日が出る時間になると結構暖かい。風も穏やかでソーラークッカーにかけたヤカンの水はすぐに温まる。雨が降らず地面が乾ききっているせいか霜柱も立たず地面の下も穏やかそうだ。

それが原因かどうかは知らないが、真冬のこんな時期なのに草の花が咲いている。

3日前、畑に来たネイチャーゲームの仲間が、"こんな時期にホトケノザが咲いている!"と驚いていたが、毎日畑にいるとホトケノザが咲いていても特に何も思わない。しかし考えてみれば、"なんでこんな時期に咲いてるの?"と疑問に思う方が正しい。

春先に咲くホトケノザがこんな寒中に咲いているわけだから、不思議に思って当たり前だ。

ならば他にも咲いている花はないかと探してみると、"オオイヌノフグリ"や"ヒメオドリコソウ"も咲いているではないか!

恐らく、今日咲いたわけではなく、だいぶ前から咲いていたに違いない。単に気づかなかっただけだ。早春に咲くはずのこれらの花たち、こんな時期に咲いて大丈夫だろうかと心配してしまうが、そこは何度も寒さを経験ししっかりと遺伝子に情報を書き込んだ強者たち、そう簡単に寒さに負けることはないはず。

昨12月、暖かい日が続いた時キヌサヤエンドウが浮かれて花を咲かせてしまった。もちろんそんな時期に咲いたら春まで持つわけがない、案の定正月の寒波で簡単に枯れてしまった。4月にもう一度蒔き直しだ。

そんな軟弱な F1 種に比べ、何年もこの畑で生き続けてきた草たち、生き残る知恵としたたかさを備えている。さて、気候変動で生き残れるのは誰なのか?

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.20 NO152-36 寒中花開く.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-35〈1年生の先生に〉(2021.1.19)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-35

〈1年生の先生に

A小学校からの依頼で、出張する担任の代わりに1日だけ1年生の仮担任をすることになった。初めて会う子ども達、まずは最初の"つかみ"が大事と思い"竈門炭治郎"で出迎えることにした。

教室に入ってくる子ども達に"オハヨー!"と挨拶すると、けげんな顔をする子、"炭治郎だ"と嬉しそうな顔をする子、ニコニコ笑っている子といろんなリアクションが返ってくる。だが、どの子も初めて会うおじさん(イヤお爺さん)になんの警戒もなくすぐに寄ってきて、珍しそうに取り囲む。

代わりの先生が来ることは前日担任から聞いていたせいか、なんの躊躇もない。恐らく担任との信頼関係ができているクラスなのだろう、見ず知らずの大人にも絶対的な信用を寄せている。こんな無警戒で大丈夫か?と逆に心配になるほどだ。

仮担任とはいえ"先生"であることには変わりはない。1年生が代わりの先生に気を遣うこともないし忖度もしない。

恐らくいつも通りの光景なのだろう、ケンカもするし罵り合いもある。給食当番中誰かにやり方を注意され"もういい!"とキレて当番を止めてしまう子もいる。牛乳をこぼして、ぼう然と突っ立っている子もいる。

そうかと思えば"せんせい、内緒だよ。僕ね百万円持ってるんだ。減らさなくちゃいけないから今度ハムスターと金魚を買うんだ"と耳元で秘密を打ち明けてくれる子もいる。

「〇〇ちゃんと一緒に遊ぼうとしたら〇〇ちゃんが邪魔してくるの」「せんせい、おでこが痛い!」「トイレに行っていいですか?」・・・。

次々に寄ってたかってきてはピーチクパーチク とさえずる。

"あー、昔もこんなだったな~"と懐かしくなる。

コロナの影響で入学してから当たり前の学校生活を送れてない 1 年生、1 番ショッキングだったのは給食時間だ。

みんな前を向いて黙々と食べている。楽しいはずの給食時間がなんだか魔女にさらわれた子どもの食事のようで痛々しい。

しかし、それまでマスクをしていた子ども達が初めて素顔を見せた時間、口の周りに残るあどけなさは 7 歳の顔そのものだった。

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.19 NO152-35 1年生の先生に.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-34〈魚のいる川〉(2021.1.18)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-34

〈魚のいる川

「川に魚がいる」というのは当たり前の話だが、当たり前でない時期がしばらくあった。一度死んだ川は何十年もかかってやっと魚が棲める川になったが、本来の川の姿ではない。

それでも魚がいるということは、エサがある、産卵場所がある、隠れる場所がある ということで、居心地がいい場所になったに違いない。子どもの頃遊び相手だったアブラ ハヤやウグイの類が何百匹と群れているさまは圧巻だ。魚がいれば、カワセミやサギが来 るし、魚が棲めるなら蛇もカエルもカメも棲める。巻貝もいて夏にはホタルも飛び交う。 魚がいる川はそれ以外の生き物も繋がって生きていられる場所となる。

八瀬川(やせがわ)は、左岸に数百メートルにわたって崖がありそこから幾筋もの湧水が流れ出ている。春から夏にかけては田んぼに水を引くための貴重な水源でもある。

用水路がコンクリで固められる前には川から鮒が入ってきて産卵し、田植えが終わった田んぼにはたくさんの小鮒が泳いでいた。鮒以外にもメダカ、ドジョウ、カエル、タニシ、ゲンゴロウ・・・。たくさんの生き物がいて、子どもにとっては格好の遊び場でもあった。そんな生き物であふれていた田んぼは、かつてのようなにぎやかさは消えてしまったが、それでも田んぼがあれば、カエルが来るし、トンボも卵を産む。ミジンコなどの小さな生き物も発生し、小魚のエサとなる。実りの秋にはイナゴやスズメのえさ場となる。

田んぼを含め人の生活が健全であれば、直結している川でも魚が生きていける。降った雨が地面に沁み込み湧水となって川を作り、田んぼや池を潤しやがて海に流れ込む。そしてまた雨となって大地を潤す。

"魚が川にいる"光景はそんな循環の中で成り立つということを忘れないでいたい。

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.18 NO152-34 魚がいる川.pdf

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今日のハッピーラッキーネイチャー[2020/01/18]

1月18日の「#ハッピーラッキーネイチャー」!

新型コロナウイルスの影響を受けて新しい生活様式へのシフトが進む中、全国各地の自然を愛し野外活動に取り組む仲間たちとともに「自然を感じる」ことを提案できないかとアイデアを出しあっています。地域ごと、ご家庭ごと、関係主体ごとに状況が違うことと思います。みなさまの日々に活かせるもの、ホッとできるものを少しでも届けられていれば幸いです。

※この記事はハッシュタグを元に引用させていただいています


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  • 21年01月18日
  • 投稿者:ハッピーラッキーネイチャープロジェクトメンバー
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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-33〈大きなカブ〉(2021.1.17)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-33

〈大きなカブ

"おじいさんがカブをひっぱって、うんとこしょ どっこいしょ それでもカブはぬけません。"

そのあと、おばあさんが来て、孫が来て、犬が来て、猫が来て、最後にネズミが来てやっとおおきなカブが抜けました。というロシアの話はたいがいの1年生の教科書に出てくる。

そこまで大きくはないが今季初めて作った大きなカブは、けっこう存在感がある。2年生の孫が抜こうとしたが本当に抜けなかった。測ってみたら4㌔あった。

薄く切ってコンブと市販の漬物用の酢を入れて一晩おけばあのぬめりのある"千枚漬け"が簡単にできてしまう。京都の千枚漬けには及ばないが、素人にしてはなかなかの味になる。

ダイコンや普通のカブと比べてみるとその大きさが際立つ。4㌔を片手に持ち上げて写真を撮ろうとすると、結構きつい。1㍉にも満たないようなタネから、たった3~4か月でこんなにも大きくなってしまうことにただただ驚嘆!

包丁を入れると水分を含んだはちきれんばかりの真っ白い肌が飛び出し思わず舌なめずりをする。来季も絶対タネを蒔く!

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.17 NO152-33 大きなカブ.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-32〈みーつけた〉(2021.1.15)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-32

〈みーつけた

近くの公園にエノキの木があったので根元の葉っぱをひっくり返してみた。この写真を見て何者かが分かった方は恐らく少ないだろうし、1年前は私もその一人だった。

この時期、エノキの落ち葉の裏にはオオムラサキやゴマダラチョウ、アカボシゴマダラの幼虫が潜んでいるのだ。自分で見つけたのは初めてだったので少し嬉しい(ヨシッ、と小さくガッツポーズ)。

2匹見つけたが、どれがどれやら同定できない。家に帰って調べてみたら、左下の方は突起が4つで3番目が大きいのでアカボシゴマダラだ。右上のは突起が3つにも見えるし4つにも見える。3つだったらゴマダラチョウだがどうだろうか。どっちもアカボシだと悲しい。

このアカボシゴマダラは特定外来生物に指定され本来ここにいてはいけないチョウだ。人為的に持ち込まれたものが繁殖しどんどん広がっていき、生態系の攪乱が起きてしまう。"カワイイ" "きれい"だけで無責任に外来種を飼ってはいけない。

子どもの頃、"ソウシチョウ"というきれいな鳥を飼ったことがあるが、その鳥が今野生で繁殖している。インドや中国から持ち込まれた鳥で特定外来生物だ。安易な飼育が固有の生き物に大きな影響を与えてしまうことをどこかできちんと教えないといけないと思う。

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.15 NO152-32  みーつけた.pdf

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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-31〈夕暮れ時〉(2021.1.14)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-31

〈夕暮れ時

もうすぐ日が沈むという時間帯、公園を散歩した。西日を浴びたメタセコイアとシルエットになったメタセコイアが対になって向かい合っている。見る場所によって陽になったり陰になったり、表と裏は状況次第でいくらでも変わってしまう不思議な光景だ。こうしてみるとメタセコイアはどれも見事な円錐形を成している。葉がついている時にも円錐形であることは分かるが、葉が落ちたこの時期はより鮮明に尖り具合が見えてくる。

1本の木をじっと見ていると、葉緑素を抜き取った時に透けて見える葉脈にそっくりだ。1枚の葉の葉脈と木全体の枝ぶりが相似形であることが面白い。花も実も葉も脱ぎ捨て、全ての飾りをそぎ落としてあるがままの姿で冬空に立つ姿は、一切の無駄をそぎ落とした修行僧のようで見ていてすがすがしい。人間もこうやって毎年リセットしながら生まれ変われたらどんなにいいことだろう。

あちこち写真を撮っているといつの間にか日が沈み、どんどん寒くなる。沈んだ日の向こうは真っ赤に燃えてくる。夕日に炙り出された木の枝が1日の終わりを惜しんで手を振っているようだ。夕暮れ時は何か寂しさを伴うものだが明日も必ず日は昇ることが約束されているので、一時の寂しさは希望に代わる。夕焼けは明日の晴れだけでなく希望をも連れてくると思いたい。

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.14 NO152-31  夕暮れ時.pdf

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今日のハッピーラッキーネイチャー[2020/1/14]

1月14日の「#ハッピーラッキーネイチャー」!

新型コロナウイルスの影響を受けて新しい生活様式へのシフトが進む中、全国各地の自然を愛し野外活動に取り組む仲間たちとともに「自然を感じる」ことを提案できないかとアイデアを出しあっています。地域ごと、ご家庭ごと、関係主体ごとに状況が違うことと思います。みなさまの日々に活かせるもの、ホッとできるものを少しでも届けられていれば幸いです。

※この記事はハッシュタグを元に引用させていただいています


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  • 21年01月14日
  • 投稿者:ハッピーラッキーネイチャープロジェクトメンバー
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イノッチファームでシェアリングネイチャー No.152-30〈カワセミ〉(2021.1.13)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-30

〈カワセミ

家からすぐ近くに鳩川があり朝の散歩中にカワセミを見つけた。翡翠と書き、飛ぶ宝石などと言われている。コバルトブルーの羽を広げ、"チーッ"と鳴きながら水面近くを飛び去って行く姿はまさに宝石そのもの。鳥の中で一番好きかもしれない。

子どもの頃遊んだ鳩川は、高度経済成長と共に汚れはじめ、洗剤の泡がぷかぷか浮かぶ死の川となってしまった。それから何十年、下水が完備し少しずつ水もきれいになって、魚も戻ってきた。

カワセミという鳥を知ったのは教員になって宮沢賢治の「やまなし」という作品に出合ってからだ。本物を見たかったがその頃の川にはカワセミはいなかった。餌となる魚が棲めるような川は山奥に行かないとなかった。

汚れた川が少しずつきれいになってくると、公園の池や近くの川にもカワセミが戻り、身近な鳥となった。人間が作り出した環境が生き物の生活スタイルにも大きく影響する典型例だ。

田んぼに農薬を使わず、ドジョウやタニシを増やしてコウノトリが自然繁殖できるようにした例や、森林伐採で大きな木の洞がなくなってしまった森に人工的な洞を設置し、シマフクロウの繁殖を手助けした例、食草となるカンアオイを植えてギフチョウを保護している例など、人間のせいで絶滅寸前に追い込まれている生き物を取り戻すには膨大な時間と費用がかかる。

鳥が生きられない世界は人も生きていけない。Today birds, tomorrow men 「今日の鳥は 明日の人間」。

▶PDF版をダウンロードする 2021.1.13 NO152-30  カワセミ.pdf

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