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Dr.日置の「字」から自然を科学するLecture...6「森」 (SNL2018年9月発行)
「森」は「林」より〝木が多い場所〟にあらず。多くの生きものを支える植物の集合体に〝神〟が棲む?!
「森林」…樹木の密生している所。もり。はやし。

「林」とは、人の手が入ったもの。「生やす」が転じた言葉なのだそう!これに対して「森」は、人の手が入っていない場所。「盛り」から転じたとか。日本古来の言葉で「もり」とは「盛り上がったところ」を示すのだそうだ。なるほど〜。



豊かな自然と避けられない自然災害の狭間で生まれた、日本古来の自然信仰。古代神道で、遠くからでも崇めることのできる「小高い場所=もり」は、神の依代(よりしろ)とされた。なかでもさまざまな生きものが棲み、食料や木材など多くの恵みを生み出す「もり=森」は神の領域とされたのだろう。




そもそも、光エネルギーを使って無機物(水と二酸化炭素)から有機物(デンプンや糖)をつくるという神業?!ができるのは植物だけ。しかも小さな葉1枚1枚で!先進技術を日々開発し続ける人類をしても未だ、人工的に光合成を行い有機物をつくることはできない。ゆえに草食動物は植物を食べ、肉食動物は植物を食べた草食動物を食べて命を繋いでいる。食物連鎖とは、植物のつくる「デンプンや糖」獲得の営みなのだ!え、え〜、そんな見方が...。




さらに、植物は酸素や薬用成分を生成するなど、功績は計り知れない。「森」はまさしくそれらの集合体。古人が崇めた「もり」の意味を、もう一度心せねば!...というのが、今回の日置講座でした。



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dr.hioki.pngのサムネイル画像日置光久(ひおき・みつひさ)・監修

東京大学特任教授。元・文部科学省教科視学官。日本シェアリングネイチャー協会理事。

生態系のバランスを体感!〈生きもののピラミッド〉

「生態系ピラミッド」を自分たちでつくり、疑似的な体験を通して、自然界のバランスと食物連鎖による「生体濃縮」について学ぶネイチャーゲームです。



【準備】

・生きものの名前が書かれたカード(人数分)

*「植物6:草食動物3:肉食動物1」の割合を参考につくります。

・バンダナ(植物役の人数分)



【楽しみ方】

①参加者に生きものの名前が書かれたカードを1枚ずつ配る。


②「植物」カードを持っている人(植物役)は、地面に手と膝をついて「土台」をつくる。


③「草食動物」役は植物役の後ろに立ち、両手を植物役の背中に置く。

④「肉食動物」役は「草食動物」役の後ろに立ち、両手を草食動物役の肩に置き、簡易的なピラミッドをつくる。

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⑤リーダーの合図に合わせて、草食動物役と肉食動物役は手に力をかけて、互いに影響しあっていることを体感する。

⑥リーダーの合図に合わせて、植物役の一部が手を折り曲げて減少したことを表現する。こうして生態系のバランスが崩れることを全員で体験する。

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⑦植物役全員にバンダナ(毒)を渡す。「草食動物が植物を食べた」と仮定し、植物役が持っているバンダナをすべて草食動物役に渡す。次に、「肉食動物が草食動物を食べた」と仮定し、草食動物役が持っているバンダナをすべて肉食動物役に渡す。

⑧ピラミッドを解体し、肉食動物役に溜まったバンダナ(毒)を全員で確認し、有害物質は食物連鎖を通して濃縮し、高次捕食者の体内に溜まってしまうことを説明する。

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情報誌「シェアリングネイチャーライフ」Vol.22 特集(編集:佐々木香織、山田久美子」 イラスト:井上みさお)をウェブ用に再構成しました。
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