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しぜんの色帖。
「緑青(ろくしょう)」「若葉(わかば)」「青草(あおくさ)」…日本人は昔から独自の感性で、色に美しい名前を付けてきました。
お散歩がてら、あなたも自分だけの「しぜんの色帖」を作ってみませんか?
「きいろ」ってなに色?

とつぜんですが…

「きいろ」と言われたら、

どういう漢字を書きますか?

次の色見本から何番をえらびますか?



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普通に考えれば「黄色」と書き、

4番の色を選びますよね。

「なに言っちゃってんの?」という感じでしょ。



では、「きのいろ」と聞いたら、

どんな漢字を想像し、何番を選びますか?



答えは「木の色」と書いて3番を選びます。



つまり、「きいろ」は世の中で「黄色」だけれど、

私は今回「木色」と字を充てました。



俗に言う「ちゃいろ」と呼ばれている色を

「きいろ(木色)」というこの理屈、

新しい感覚だと思いませんか。

日本独自の色の名称

国産品の色えんぴつや絵の具には

日本独特のすてきな名前が

ついているのをご存知ですか?



子どもの頃に使うクレヨンは、

たいてい「あお」「あか」「きいろ」と

ストレートな呼び名がついています。



しかし、大人が扱うような道具になると、

単純な名前だけではない

「なんとも風情のある」名前がついています。



手持ちの吉祥の絵の具と、

ペンテルの水彩色鉛筆を見ましたら、

ステキな名前がついていました。



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自然のモチーフに名前のヒントを貰う

赤系なものだけでも

「紅梅(こうばい)」

「紅(べに)」

「朱(しゅ)」

「上朱(じょうしゅ)」

「燕脂(えんじ)」

と、5色もあります。



みどり色でも

「緑青(ろくしょう)」

「若葉(わかば)」

「青草(あおくさ)」

「花白緑(はなびゃくろく)」

と4色もあります。



共通しているのは、

どれも「自然界からとった名前」

であることがわかります。



先人の感性が実にすばらしいと言いますか、

何とも感慨深いと思いませんか。



一年を通して自然の姿から名づけられた色の数々。

そこで、今の季節ならではの色の表現を

自分で作ってみるのはどうでしょうか。



ここでこだわりたいのは、漢字表記。

その自然を表す漢字ならではの味わい

というものがありますので、

前述の自然のモチーフに習って命名してみました。

初夏の10色を、命名してみた

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いかがでしょうか。



自然本来が奏でている色を

そのまま感性で命名するという遊び、

あってもよいと思います。



好き勝手に名前をつけてもいいのだから

どんどんイメージが膨らんできますよ。



今回は5月に見られる自然物で[初夏の色帖]を作りましたが、

季節によっていくらでも作れますから、

ぜひやってみてください。



写真は撮らなくてその場で考えるだけでいいので、

ぶらぶら街あるきのテーマとしてはオススメです。



改めて、日本人の自然に対する感性って…すてきですよね。



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山口 哲也 やまぐち てつや


1960年生まれ東京都中野区在住。

元・日本シェアリングネイチャー協会職員。「日本どんぐり実物大図鑑」も作りました。

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