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〈わたしの木〉で、かけがえのない「木との出会い」を。
また会いに行きたくなる、そんな友だちのような木はありますか?木との絆を結ぶネイチャーゲーム〈わたしの木〉を紹介します。
Meet a tree

目かくしをして一本の木と触れ合って、視覚以外の感覚をつかいその木を想像してみる、 そして目かくしを取り、あらためてその木に会いに行った時、その木はただの「木」ではなく「特別な一本の木」に変わる。



「木」をテーマとしたネイチャーゲームのなかでも、代表的な活動で、〈わたしの木〉での体験の記憶を大切にしている仲間がいっぱいいる、象徴的なネイチャーゲームです。 ネイチャーゲーム指導員はほぼみんな、思い出の場所に「わたしの木」があります(これを書いている私の木は、伐採されてしまいましたが・・・)。



〈わたしの木〉は創始者のジョセフ・コーネルが考案したネイチャーゲームで、もともとのタイトルは「Meet a tree」、1本の木と深いつながりをもつことを大切にしていることがタイトルからもわかりますね。

「この木に感謝ですね」

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20年近く前、環境学習のイベントで、〈わたしの木〉を体験した男性が、



急に幼い頃に遊んでいた林を思い出しちゃって・・・

と話をしてくれました。



当時はまだ家の周りにたくさん木々が残っていて、林の中で遊んでいたんです。虫とりしたり、落ち葉を集めて遊んだり、懐かしいなぁ。あの時代って、どこが誰の土地だからとか、きっとそんな厳しい話もなかったんじゃないかな。 もしかしたら、子どもだからって見逃してもらってのかもしれないけど、林が遊び場だったんです 自然が好きで、今回この研修にも参加したんですけど、あの林のことは、ずっと忘れていたなぁ。もったいないなぁ。でも、この木が思い出させてくれました。この木に感謝ですね
運命の出会いに立ち会う

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私が、その木を選んだことに深い理由はありませんでした。



下見をして、候補にしていた2本の木から、直前に、お会いして少し言葉を交わした中で「こっちの木」にしようと決めただけです。



もちろん彼の心の奥にある記憶を知っているわけもなく、それを呼び起こそうとしたわけでもありません。 言ってみれば偶然の引合せに私が立ち会っただけですが、もしかしたら男性とこの木はいつか出会うときが来ると決まっていたのではないか、そんなロマンティックなことも感じたり。



すぐ近くなので、ここに来る楽しみが増えました。またこの木に会いに来ますよ

と嬉しそうに話してくださったのが印象的でした。



私の木は先日、切り株さえも確認できなくなりましたが、男性とその木とが、今もお互いに元気で、友情が続いていますようにと願っています。

〈わたしの木〉の楽しみ方

わたしの木を家族や友人と楽しむときは、こんな流れでやってみてください。



1)パートナーに紹介したい木を選ぶ

2)紹介したい木があることを伝える

3)バンダナなどで目かくしをしたパートナーをその木のところに連れていく

4)触覚・嗅覚・聴覚を使うように、その木を紹介する

5)十分のその木を感じてもらったら、目かくしたままもとの場所に戻る

6)目かくしをとって、その木を探しに行ってもらう

7)再開できたら、もう一度触ったり匂いをかいだりする

8)感じたことをシェアする

大切にしたいこと

大切なことは「木当てゲームではない」ということです。



例えば

・目かくしをした後にぐるぐる回す

・後で当ててもらうからよく覚えてね!と声をかける

・当たったらすぐにおしまいにする

といったことはしないようにしましょう。



もちろん木当てゲームはそれはそれで楽しい活動です。



でも、〈わたしの木〉では、パートナーがその木を深いつながりを感じられるように、雰囲気づくりから大切にしてみてください。

〈わたしの木〉の楽しむ際に気をつけたいこと

・木を選ぶときは、この場所で出会ってもらいたい心に残る木を選びましょう

・必要以上の言葉だけは、ときにわずわらしさを与えてしまうので気をつけましょう

・目かくしをしたパートナーを案内する際はゆっくり丁寧に誘導し、怖い思いをしたり、危険な状態にならないよう注意してください。

・ウルシなどのかぶれやすい木を選ばないようにしましょう。



藤田 航平 ふじた こうへい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会

事務局次長・マーケティング部



学生時代からネイチャーゲーム自然学校・自然教室に関わり、あれよあれよという間にネイチャーゲーム漬けの日々(つまり仕事)。仲間に「自然との一体感を感じたネイチャーゲームは?」って聞くと、このアクティビティの話が出てくることがよくあります。私もそう。今回紹介した男性のときと同じように、私自身も幼かった頃の日々が五感を伴って強く呼び起こされました。そこから私の人生は変わったんだと思います。自然ってすごい。

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