TOP

小中学生の自然体験
動物たちの相談にのってみたら・・・〈動物の弁護士〉といっしょに考えよう!動物さんの困りごと。
リーダーが野生動物役と弁護士役に扮して、参加者の前で「困りごと」を語ります。
参加者にその動物たちが置かれている状況や人間と自然の共存について考えるきっかけをつくります。
モグラくんがやってきた

「今日ね、君たちに会って話をしたいっていう動物が来てくれてるんだ。みんな会ってくれる?」

そう切りだした弁護士役のリーダーに、子どもたちは「いったい何を言い出したのやら?」という顔ですが、「うん!」という返事。

「おーい、出てきてくれますかー?」の声を聞いて、 満を持して、モグラ役のリーダーの登場です!

四足で、鼻をピクピクさせながら、やってきました。 顔を高く上げて、くんくんと匂いをかいで、 目をしばたたかせています。

モグラくんの自己紹介

「わざわざ来てくれてありがとうございます。
君が会いたいって言っていた、子どもたちとその保護者の方が集まってくれましたよ。
まずは自己紹介からお願いできますか?」

弁護士役のリーダーの声に、 モグラくんが自己紹介をします。

「やあ。  こんにちは。  
僕はそこの森に暮らしてるモグラです。
土から出ると明るくって明るくって落ち着かないね。 みんなは地上に暮らしてるんでしょ?
すごいな。目がますます見えなくなっちゃいそうだよ」

みんなは、森でモグラさんに会ったことがある? など交流をしたところで、弁護士さんが言います。

「なにか困っていることがあって、みんなに相談したいということでしたが、早速お願いできますか?」

せっかちなリーダーさんに促されて さっそくモグラくんが大事なお話をはじめてくれました。

モグラくんの困りごと

「僕らの家ってどこにあるか知ってる?」

モグラの家といえば、土の中ですよね。

「土のけっこう深いところにあってそこはまあ大丈夫なんだけどさ。
ご飯探しに行くのに使っているトンネルが、よく壊れちゃうんだ」

深刻そうな話が始まりましたよ。

「森のあっちに家があってね。こっち側に美味しいミミズがたくさんいる狩場があってさ。
ちょうど、よくこの下あたりを通るんだ。で、ご飯を食べ終わって帰ろうとすると、トンネルが崩れてるんだ。  
せっかくお腹いっぱいになったのに、トンネル直すのに、へとへとだよ」

なぜトンネルが壊れるの?

「どうやらこのあたりでトンネルが壊れるらしいよ」 と、弁護士役のリーダーが続けます。

なんで壊れちゃうんだろう? みんなで考えてみることにしました。

「壊れる場所っていつも同じなの?」 という質問に、モグラくんが答えます。

「だいたい同じところだね。トンネル工事で土を外に出したところで、 外に出したはずの土が落ちて来ちゃうんだよ」

モグラくんの言葉に、 なんだか思い当たることが・・・ もしかして、あの土の山って踏んじゃ駄目だった?

「え?  もしかして君たちが トンネルを壊しちゃってたのかい?」

いやいや、ここ、みんなが遊ぶ広場だし・・・

ここで弁護士のリーダーが交通整理です。

・モグラくんのトンネルが壊れる事件が起きている
・モグラくんのトンネルはこの広場の下を通ってる
・今日も、僕たち人間はこの広場で遊んでる
・モグラ塚を気にせず歩いたり、走ったりしてる 時には、モグラ塚を踏んで遊んでいる
・モグラ塚があるところ以外のトンネルは壊れていない
・これは遊び場の中にモグラ塚があるから起きているんじゃないだろうか

なるほど!そういうことか!と、みんな、なるほど顔です。

解決策を考える!

「じゃあ、どうしたら、この困りごとを解決できるかな?」という弁護士リーダーの促しに、考えてみます。

・他の場所で遊ぶ?
・トンネルを頑丈にする!
・モグラ塚を踏まないようにする
・トンネルを作る場所を変える
・トンネルの土を出す場所、少し変えられないかな


いろいろアイデアが出てきましたが、 モグラくんはどうですか?

「みんなは土の山を踏みたくなっちゃうんだね!じゃあ土を出す場所を工夫してみるよ!そうしたら、みんなも気にせず 広場で遊べるもんね!」

なんと今日は見事な解決策が出てきましたよ!

「みんなに相談にのってもらってよかったよ!ありがとう!次からは森の中に土を出すけど、なるべく踏まないでね」
とお願いを残して、森へと帰っていきました。

〈動物の弁護士〉の遊び方

この活動は、動物の気持ちによりそいながら、みんなでわいわいと解決策を考える「カワウソ(熱意を呼び起こす)」活動の一つです。

1.弁護士役のリーダーが進行し、困りごとのある動物を登場させる   (1人二役しても良い)

2.動物に困りごとを話してもらう

3.みんなで解決策を考える

というシンプルな活動です。

大切なことは3つ

1)困りごとのある動物は、しっかり演じること

2)困りごとの選択は自由ですが、あまり深刻にならないものにしましょう

3)動物たちの暮らしに興味を持ってもらうことに主眼を置き、人間の生活を戒めるところまでは、深堀りしない方が良いでしょう

次に繋がる活動や、活動場所に使い方の約束事の確認につながるような展開になるように動物を選択できるといいですね!

もちろん、じっくりと腰を据えて話し合う展開にも使えますが、ネイチャーゲームのポイントは「教えるよりも、わかちあおう」です。勉強は他の機会に託して、メリハリつけると良いと思います!

より深く。。。となったら、情報誌シェアリングネイチャーライフ49号特集「みんな、いい案出したいんだ!」をチェックしてみてくださ〜い! ヒントがいっぱいです。

<動物の困りごとアイデア>

こんな困りごと、どうでしょう? 良い感じの困りごとを思いついたら教えてくださ〜い。

・ムササビ 「みんなで使ってた中継地点の木が、年をとって、倒れてしまったんだ」

・オタマジャクシ 「ぼくだけ足が生えてこないの」

・カナヘビ 「ぼくはヘビじゃないんだけど・・・」

・センチコガネ  「うんち、持って行かないでほしい」



(2026.10.15記事作成)


藤田 航平 ふじた こうへい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 事務局次長
ネイチャーゲームトレーナー・CONEトレーナー

 

今日のモグラのストーリーは「妄想」作品です。実際に子どもたちと実施したのは20年ほど前。全力で「ウミガメ」を演じました。当時は「砂浜の減少」の話がメインで地球温暖化をテーマにしていましたが、現代はプラスチック問題も大きく取り上げられるようになり、ウミガメを取り巻く環境は厳しくなっているのではと不安になります。自然写真家ユニットうみまーるさんのカレンダーを見ながら、自分にできることを一つひとつ、と思う日々です。

 

fujita.JPG






LPbanner0Line_1200-300.pngLPbanner2_1200-300.png