みふねもりもりシェアリングネイチャーの会は、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、グループホーム等に勤務している介護福祉士、作業療法士、看護師、介護支援専門員」等の専門職13名や保育所型認定こども園に勤務している保育士等10名の専門職23名で構成されています。
なぜ福祉専門職からはじめたのかといいますと、私自身、以下のような疑問があったからです。
介護保険サービスを利用されているお年寄りは施設職員に比べ、季節を感じる機会が少ないのではないか。
介護保険サービスを利用されている方は自ら動くことに何らかの制限(車いす、ベッド生活、杖など一人で動くと不安定な方)があります。近年空調システムが格段に向上し、外が暑いのか寒いのかそれさえもわからない。
安全という名のもとに年中施設に閉じこもっているお年寄り。
ふとしたそんな疑問から、お年寄りの失われつつあるさまざまな感覚を呼び覚まそうと考えたわけです。

〈フィールドビンゴ〉を実施してみた時のことです。
失語症の方が一生懸命に「あ~。う~。」と言われていましたので「何か見つけましたか?」とお尋ねすると黄色いチョウがいたらしく、「チョウですか?」とお聞きしたら頭を数回縦に振られました。
ある方に葉っぱについた雨のしずくを頬につけると「冷たい!」という何とも言えない表情をされたのが印象的でした。
ちょっとした表情の変化や会話がいつも以上に弾んだことは私たちの活動で大きな意味がありました。
どこまで声かけしていいのか。黙っていれば何も感じないのではないか。
「その人にあった声かけの方法」を身につけ実践していく必要性を感じました。
お年寄りの場合、短時間でも変化を感じることができた(表情・会話等)ので本人の能力をどこまで引き出すことができるのか、リーダー自身の質の向上や利用者の方の情報(身体的機能・認知症の度合い・生活歴)収集が大切です。
つまり、お年寄りの特性を知るべきであり、介護保険施設とは何か、認知症とは、福祉用具の適切な使い方、まわりにどんなフィールドがあるのか。
リーダーの気持ちとしても「また行きたい」「またしたい」と思ってもらうことが重要で、「楽しかった思い出」がこの活動を持続させる秘訣だと思います。
〈カモフラージュ〉では、始まると目の色を変え「ほーほー、あそこにあったい!」と熊本弁丸出しで声を荒げる人もいました。
物事をしっかり見るということは集中力を養う訓練にもなりますし、『見 て、集中して、探し出す』という行為は認知症の予防や介護予防につながってくるので、今後脳の活性化の訓練に有効であると期待します。
〈感触の宝箱〉は、何が入っているのかという興味と手を入れる瞬間、職員の顔色をうかがう方がいてとてもその顔が印象的でした。
お年寄りの手の感覚は、私が思っていた以上に敏感ですぐにわかる方もいました。
ドングリを入れていたのですが、戦時中の貴重な食料で兵隊さんにもたせていたそうです。
椿の実を見て髪の毛に椿油を頭に塗っていたことや椿油のつくり方まで教えてくれました。そんな回想法的な想像につながったことがわかりました。
最近では、認知症介護現場において、非薬物的介入ケアが注目を浴びています。その中に自然体験活動があり、その自然体験活動をした、高齢者の方の日常生活への変化を今後は、専門職の見地からしっかりと見据えていきます。
また、世代間交流についてですが、世代間交流を追求するうえで大切なことは、子どもたちとお年寄りが交流することにより、子どもたちが施設入所されているお年寄りを身近に感じてもらい、その子どもたちが大人になったとき、施設入所されているお年寄りへの偏見の目をなくすことです。
世代間交流をすることで、お年寄りは昔ながらの伝承遊びや昔話を思い出し、回想法的発想やその趣味を生かした生きがいにつながります。
子どもたちはお年寄りと交流することで学びの場として知識を深められます。活動を続けるうちに生まれ育った故郷に対し愛着心が生まれ、本当の意味での地域活性化につながるのではないでしょうか。
(2026.02.06記事作成)


