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保育・幼児教育
幼稚園で年長さんとネイチャーゲームをやってみた
幼児を対象にネイチャーゲームをする時、どんなことに気をつけていますか?
飽きやすい園児には、テンポよく活動を進めることが大事です。
ここでは、実際に幼稚園でネイチャーゲームを行った特の様子をお伝えします。
幼稚園でネイチャーゲーム

幼稚園で年長さんとネイチャーゲームで遊びました。



30人ほどの園児たちが2クラス、45分ずつ2回に分けて行いました。



「園児はとにかく動かす」ことを数日前の研修で学んだばかりだったので、初めはホールでいっぱい体を動かしました。元気よく歩いたりスキップしたり、動物のマネっこをしたり・・・。



数秒から数十秒単位で次々にテンポよく動きを変えないと園児はすぐに飽きてしまいます。



10分ほど動いてヘトヘトになりかけたところで、いよいよ“ネイチャーゲーム”っぽい活動に入ります。



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子どもの観察眼に驚く『葉っぱを合わせるゲーム』

最初は、半分に切られた葉っぱを合わせるゲーム。



一人1枚のカードを渡し、同じ葉っぱのカードを持っている人をさがします。



葉っぱを合わせピッタリ合えば合格。



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しかしゲームを進めているうち早速問題が発生!



最後に残った二人が葉っぱを合わせても、なんだか微妙に違います。



この葉っぱは同じじゃない!

と子どもから言い出しました。



たまたま色も大きさもほとんど一緒の葉っぱだったので、チョット見には違いが分かりません。



葉っぱの名前が書いてあるので、大人なら違いに気づくかもしれませんが、まだカタカナ文字が読めない園児、葉っぱの色や形、大きさで判断するしかありません。



間違った組み合わせの葉っぱを持っていた別の組の子は違いに気づいていません。



どうしてこの葉っぱが違うって思ったの?

と聞いてみると、



だって、こっちの葉っぱにはギザギザがあるけどこっちの葉っぱにはないもん

と、鋸歯の有無を指摘しました。



これにはそばにいた先生もビックリです。

鋸歯などという専門的な用語は知らなくてもよーく見ると、違いは明らかです。恐るべし、年長児!



すごいね、良く気付いたね!

と褒めてあげました。



ほかの園児にも、「ほら、こことここが違うでしょ、とってもよく似ているけど違う葉っぱだったんだね。」と説明しましたが、子どもたちにはそんなことはどうでもよくて、早く次の遊びしようよと目が訴えていました。



大人のウンチクなんて子どもにとっては“異言語”の世界、弊害以外の何物でもありません。“反省”です。

〈ノーズ〉でクールダウン

たっぷり動いた後は、静かに座って〈ノーズ〉をやりました。



ある動物に関するヒントを1つずつ出し、なんの動物か分かったところで、人差し指を鼻の頭に載せるというゲームでネイチャーゲームでは定番のものです。



答えが分かってもしゃべらない

というのが唯一のお約束。



でも園児にはこれが至難のわざ、ついついしゃべってしまいます。



大きな 声で言わないまでも隣の子に小さい声で「ゾウだよね」と笑顔で相槌を求めています。



まあ、その辺は目くじら立てずに楽しく進めていきます。「しゃべっちゃダメでしょ!」なんて注意したら楽しい雰囲気が壊れてしまいますから。



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園庭で自然の探しもの

ホールで楽しく遊んでいる間に残り15分となり大急ぎで外に連れ出しました。



動き回ること、探し物をすることが大好きな園児、さっそく探し物開始です。



初めに、暖かいところ探してきてください。

そう指示を出すと園庭を走り回り、あちこちさわりまくります。



次は冷たいところ
じゃあ次は赤い色のはっぱ
黄色い色の葉っぱ

と次々にお題を出していきます。



つまらないウンチクはなし。「おおっ、すごい葉っぱ見つけたね」「きれいな葉っぱだね、どこにあったの?」と一言発して次の探し物へ。



このテンポでなければ瞬時に目の輝きは失せてしまいます。幼児の反応は直接的だし容赦がないので緊張の連続です。

〈カモフラージュ〉の幼児アレンジ版

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最後は



みんないい目をしているから今度はバッタを探してもらうよ

と、折り紙で作ったバッタを見せ、



こんなバッタが隠れているから一人一つ探して持ってきてね

と、これもネイチャーゲームの定番である〈カモフラージュ〉のアレンジ版をしました。



よく動き回る子はあっと言う間に近くにある目立つ色のバッタを探してしまいます。



「どこにいるのかな、どこを探せばいいのかな」とジトーッと迷っている子はいつまでも見つけられません。



かなり目立つ色のバッタ、すぐ目の前にいるバッタにも気づかない子もいます。間違いなく視野に入っているのに気づかず、「ほら、ここにいるよね」と、直接バッタを触ってようやく焦点が合う子もいます。



2回戦は子どもたちが隠したバッタをお互いに探しっこしましたが、どうしても一人の子が見つけられません。



隠した子もどこに隠したのか定かではありません。仕方なく、



あらら、こんなところにいたよ

とポケットに隠しておいたバッタを素早く草むらに置きました。



“折り紙バッタ”を使った〈カモフラージュ〉でしたが、かなり個人差があることが判明しました。



4月生まれと3月生まれでは明らかに体格も違うし、当然経験値も違います。興味・関心の対象も異なるし、自然への向き合い方も違います。



個人差を考慮しつつ、園庭や家の周りの自然に目を向け、風のように空気のようにムリなくすーっと入り込めるような“しかけ”をもっともっと考えていかなければ、と気づいた貴重な時間でした。



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井上 満 いのうえ みつる

公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 常務理事



ネイチャーゲームの楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの人に伝え、共に感動をわかちあいたい、そんな思いで実践をしています。自然の中にいるたくさんの命に直接触れ、命を実感できるような自然案内人をめざしていきたいと思います。