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保育・幼児教育
遊び込む〟大切さ、 知ってますかぁ~?
みなさん、こんにちは。シンゴリラこと松本信吾です。
以前まで赴任していた広島大学附属幼稚園では、週に1回「森の日」を設定して、森の中を保育室として活動してきました。そこでの体験を踏まえながら、幼児が自然に親しむ秘訣を教えちゃいます!
「森のようちえん」など、自然の中での保育が注目されるのはなぜなの?

松本信吾

岐阜聖徳学園大学教育学部教授

1968年福岡県生まれ。保育者一筋20数年、愛称「シンゴリラ」として子どもたちに大人気の保育研究者。前任の広島大学附属幼稚園では、園を“森のようちえん”化して、森での保育を模索・実践し、現在に至る。著書身近自然かし保育実践キュラム

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答えはいろいろあるのでしょうが、私は「子どもが遊び込むのに最適の環境だから」と答えています。

思いっきりどろんこになったり、何度も挑戦して木登りしたり、ただ、じ~っとアリを見つめていたり。時も忘れ、夢中になってその対象と向き合い、溶け合うように過ごす。そんな時間と空間を保障してくれるのが自然でしょう。



幼児期にもっとも大事な体験は、子どもたちが身近な環境に心を動かし、自分から興味をもって環境に主体的に関わり(遊び込み)、充実感や満足感を味わうことです。そんな、どっぷりと浸かる世界にあふれているのが自然なのでしょう。




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子どもは泥んこの世界にどっぷり浸かる。大人もやってみるとのめり込む!

幼児は、大人が考えるように、学ぶため・発達するために遊ぶの?

私の答えは「No!」です。多くの人が、幼児は何かを学ぶため、発達するために遊ぶと考えているかもしれません。〝結 果として〟多くのことを習得することは確かですが、遊びの目的が何か目に見える成果を生み出すことになってしまうと、どうなるでしょうか。



そう、遊びの名の下に、大人にとってわかりやすい能力を身につけることを目的とした「英語遊び」や「科学遊び」、「体育遊び」などが横行して、子どもがその対象と深く関わり合う「遊び込む」ことが難しくなります。「遊びは遊ぶこと自体が目的である」ことを忘れないようにしたいですね。



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子どもは遊びの天才!”邪魔”しないことがコツ

先生、ネイチャーゲームって、なんで幼児教育にいいの?

ネイチャーゲームは、自然の知識を与えるものでなく、五感を通して直接体験できるようにできています。まさにレイチェル・カーソンが述べているように「知ることは、感じることの半分も重要ではない」ということ。



子どもたちがそもそも持っている「センス・オブ・ワンダー」を十分働かせることができるのが、ネイチャーゲームの素晴らしさですね!



ですから、アクティビティをマニュアルのまま行うより、子どもたちの心を開き、心もちに〝共感する〟ことを大事にしてください。



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自然に対して安心して心を開き身を委ねる時間、持ててますか?

じゃあ先生、この秋おすすめのネイチャーゲームを教えて!

秋は多くの自然物が身近に感じられる恵みの時です。ですから〈宝さがし〉などはどうでしょう。



「宝物リスト」は、子どもの年齢やフィールドの状況に合わせて変えることで、子どもたちが自分の感性で、お気に入りの宝物を探してくることができます。その子どもの素敵だと感じる心もちに触れることができ、その子らしさを皆で感じ合えると思いますよ。



また<ミクロハイク>もその世界に入り込む(遊び込む)という意味では、素敵なアクティビティですね。まずは自分が秋の自然を楽しんじゃいましょう!



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春には春の、秋には秋の、季節に応じたネイチャーゲームがある!

そうは言っても先生、自然環境が豊かではない都会ではどうしたらいいの?

それはもっともな悩みですね。でも、豊かな森があれば、子どもの十分な体験が保障されるのでしょうか?保育者が活動を制限したり、子どもの発見を受け止めなければ、子どもたちのセンス・オブ・ワンダーは失われていきます。



一方、都会のほとんど園庭のない園でも、保育者がそこに生えている一本の草に心を寄せることで、子どもの世界は広がります。たとえビルの中でも、一緒に雲を見たり風を感じたり、自然を取り入れたりすることで、自然の世界に誘えます。



そのように考えると、どのような環境でも、保育者自身の感性次第ということです。もし、自分のセンスに自信がなければ、インタープリ ターやネイチャーゲームリーダーを呼んで、一緒に自然を楽しむことから始めるのもいいかもしれません。



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園庭のない園でも、保育者の工夫次第で子どもの自然の世界は広がる!




情報誌「シェアリングネイチャーライフ」Vol.34(編集:佐々木香織、校條真(風讃社))をウェブ用に再構成しました。
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