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木と対話するネイチャーゲーム(その1) 〈木のセリフ〉あそび方と魅力
木をよ〜く観察して、その木がつぶやきそうな言葉を想像します。そして、それをセリフカードに記入して、家族や友だち、仲間とシェアし合うネイチャーゲームです。
まずはセリフカードを準備しよう!

まず、吹き出しの形をした「セリフカード」を準備しましょう。
セリフカードは、厚めの紙を吹き出し型に自由に切り抜いて作ってもいいですし、吹き出し型のポストイットや厚紙が100円ショップや文具店で売っているのでそれを使ってもいいです。ネイチャーゲームショップでは使いやすい大きさと程よい厚みの紙で「木のセリフカード」をオリジナル制作し販売しているので、それを購入してもいいと思います。

当協会が発行している、情報誌『シェアリングネイチャーライフ』で〈木のセリフ〉カードを付録として制作したので、今回はその付録をベースにしてご紹介します。


▼PDFをダウンロード▼

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『シェアリングネイチャーライフvol.35』(2021年12月発行)より抜粋



付録を原寸(A4サイズ)でプリントアウトして使用してもいいですし、お好みに合わせて拡大して使用してもいいです。ここではA3に拡大して使います。
野外の風などで飛びにくく、記入がしやすいように厚めの紙にのりで貼り付けて切り抜きました。今回は息子と一緒に作りました。

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セリフカードが準備できたら記入するペンを人数分持って、木がありそうな公園や緑地を目指して出発しましょう!

気になる木を見つけて、じっくり観察…その木がつぶやきそうなセリフを考えてみる

筆者は休日に夫と息子を誘い近所の野外活動センターに行ってみました。おなじみの木がたくさんある我が家のメインフィールド。さてどんな木のつぶやきが聞こえてくるでしょうか?

まずひらめいたのは夫です。このフィールドでツリークライミングの活動をよくしていました。いまは亡きツリークライミングの師匠を想いつつ、いつもツリークライミングをしていた木の前でこんなセリフが浮かんだようです。「子どもたちとたくさん遊んだよ」一同、しんみり・・・師匠とこの木へのリスペクトが合わさっていたようです。

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やがてノッてきた夫が見事に色づくモミジの木を発見。ここでは、LINE風の吹き出しを使ってこんなセリフが出てきました。木が「私、きれい?」と聞いているとのことで…私が返信を考えてみることにしました。そして「毎年ありがとう〜」と返信しました!木に聞かれて、自分が答えるパターンに、このLINE風の吹き出しは使える!なかなか面白いぞ!!

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さぁ、思春期に突入の小5息子……「さぶい」と言って背中を丸めてなかなかやる気が出なかったようですが「なにか浮かんだ?」と聞いたら、無言のまま吹き出しに書きはじめました。さて、どんなセリフなのかな??…すると小っちゃ〜い文字で「さむいよー」……はい、いまのキミの気持が投影されているのかな?これもある意味では“木との一体感”でしょうか?

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…続いて、だいぶ朽ちている木を発見しました。聞こえてきたつぶやきは「そろそろ地球に還(かえ)ります…」長い間お疲れさまでした。ありがとう!

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そして、冬芽が固くなってきたサクラの木からはこんな声が聞こえてきました!

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「うん!春になったら見にくるよ!」というなんだかホッコリした気持ちに〜

ほんの30分くらいの滞在でしたが、なかなかに楽しい時間でした。いつものフィールドで木の側になって言葉を考えるのはとても新鮮でした!

まとめと感想 〈木のセリフ〉をオススメしたい人や現場は?

木のセリフカードを準備すれば気軽にできるネイチャーゲームです。

家族でも、友人や恋人などの親しい人とでも、大人数のイベントや学校でと幅広く楽しめそうです。最大にハッピーなポイントは、今までなんとなく見ていた木が「ただの木」ではなくなってしまうこと。木の気持ちになることで(一方的かもしれませんが)、木との“対話”が成立し、ただの木が「知り合いの木」に。もしかしたら「友だちの木」にまでなるかもしれません。木が友だちになれば、その木のことや周りの環境にも意識が広がる可能性もあります。簡単で気軽な活動ですが、意外にも深い効果が得られるのかもしれませんね

ぜひぜひ皆さんもやってみてください!


(取材協力:川崎市黒川青少年野外活動センター


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佐々木香織 ささき かおり
元・公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 スタッフ

広報出版事業と教材開発の担当をしています。コロナ禍で主にテレワークな日々‥一人息子は小学5年生。釣りが好きすぎる超アウトドア少年だったのに、コロナ自粛で一気にゲームに詳しすぎるインドア派に転身。環境が人をつくるんだな‥って、実感しています。
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