
日本には家紋という文化がありますが、
たとえば、どんな家紋が思い浮かびますか?
有名なものだと、
「この紋所が目に入らぬか!」のセリフで有名なアレ。
「三つ葉葵」の徳川家の家紋ですね。
「フタバアオイ(ウマノスズクサ科)」がモチーフで、
本来2枚1対に見える葉っぱを3枚にしてイラスト化したものです。
どんな経緯で作ったんでしょうね〜、おもしろい。
他にも、
・小鳥をモチーフにした千鳥紋
・山の形を図形化した山紋・山形紋
・花をモチーフにした梅紋や桔梗紋
・蝙蝠紋に、鷺紋、蟹紋、亀紋
など自然を活かした紋がたさんあります。
かくいう藤田家も自然派の家紋。
「片葉の茶の実」というネットで検索しても出てこない、レアな家紋です。
藤田家を遡ると、「3日天下の武将」の家臣に辿り着きます。
NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」にも出てきたので、藤田家界隈はざわつきました(笑)。
「ご先祖が落ち延びる際に、荷車の「茶葉」に隠れて命が助かったから
「茶の実」を家紋したそうだよ」
と代々、語り継がれています。
お茶の葉に包まれて助かったご先祖は、
お茶に特別な思いを持っていたのかなと思うと、
家紋の見方もちょっと変わります。
とは言え、「麒麟がくる」以降、
よくご先祖の情報が出るようになり、
そしたら口伝と違う情報がいっぱい。
まあ口伝を信じることにします。証拠もないし(笑)
片葉の茶の実紋。激レアだそうです
よく見たら、いろんなところに家紋があって、
街歩きをしながら、それを楽しむのもよいと思いますが、
どうせなら、作っちゃいませんか?
〈自然の紋〉
(1)自然のお気に入りの形を見つける
(2)じっくり観察して図形化しながらデザインを考える
(3)カードに描いた正円の中にデザインしたものを描く
ポイントは3つです。
1)発見と観察第一! まずはお気に入りの形を探すことが大事です。 作品づくりをしよう!と決めて、 おもしろい形を探すのもよいのですが、 先にお気に入りの形を見つけると愛着増し増しです。
2)数や重なりを工夫する デザイン化するときは、 葵の御紋のように数を変えたみたり、 あえて重なりで表現したりして楽しみましょう!
3)一色で描いてみよう 描くときは、少し太めのマーカーで1色がおすすめ。 いろいろな色を用意すると、 デッサンのようになってしまうので要注意です。
ネイチャーゲームの仲間には、日記の代わりに 〈自然の紋〉を楽しんでいる人もいます。
お散歩ついでに見つけた素敵な形で、 ぜひ楽しんでみてください!
自然は無秩序で、カオスな印象があるかもしれませんが、
実はそんなことはなくて、
パターンがたくさん隠れています。
身近なところでいうと、
・まっすぐ上に伸び、お互いに平行を保つ草木
・昆虫はほとんど左右対称で、対の構造がいっぱい
・放射状に並ぶ花びら
・まつぼっくりを下から見るとぐるぐるしている
とか。
自然の中には、こうした不思議で、おもしろい形や数のパターンが溢れています。
こうした自然が織りなす造形に気づき、それを受け止めて、自分と自然とのマークへと進化させていく・・・
きっと描きながら、自然が見せてくれるさまざまな形に気づくことができると思います。
自然の形に気づき、発見したところで、
〈自然の紋〉をはじめていきたいですね。
●自然の形に注目するネイチャーゲームと言えば
やっぱり〈フィールドパターン〉ですね。
自然の形や模様の中に、きっとお気に入りの形が見つかると思います。
●自然の不思議を見つける〈不思議探検隊〉もおすすめ。
たーっくさん見つけた不思議の中にきっと作品が生まれるヒントがあります。
●あえての落ち葉の活動のあとに持ってくるのもあり。
題材となる自然物を「落ち葉」に絞る玄人向けの進め方もいいですね。
●動物の姿、形に注目してからの〈自然の紋〉も、おもしろいかもしれません。
(まだ、その流れはしたことはないですが・・・)
●〈フィールドビンゴ〉や〈宝さがし〉に形探しの項目をいれておくのもいいですね。
制作の要素もあって、まとめの活動としても使いやすいアクティビティです。
日々の暮らしの中で描いたものを参考として提示することでヒントを手渡せたら、「描くの苦手なんだよね・・・」という人の助けにもなるかもしれません。
最後に実践時の「あるある」共有です。
1)もっとカード頂戴!という子どもがよくいます。
小学校3〜5年生の女の子に、よくあげているかな・・・
どんどんひらめいて、どんどん作れてしまう子もいるので、カードは多めに準備しておきたいですね。
(ネイチャーゲームリーダーの方には、専用ページに印刷用データがありますのでご活用ください)
2)今日出会ってない自然をモチーフにしてもOKにしてあげても良いかと思います。
心に残っている大切な自然の様子を、思い起こして、紋に仕上げるのもとても素敵なことだと思います。
3)デッサンではなく、モチーフ・図形化して描く、というところを丁寧に伝えてください。
イラストは得意不得意が出やすく、描くことを躊躇する場合があります。
定規を使ってもOK。実際の自然物をなぞってもOK。
気楽に描けるように、声がけをお願いします
◆ネイチャーゲームリーダーの作品を掲載◆
アートギャラリーにぜひお立ち寄りください!
(2025.07.08記事作成)
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会
事務局次長・マーケティング部
〈自然の紋〉は、小学生以上との実践のときメインになりますが、現場でよく実践する活動の一つです。先日、ネイチャーゲームフォローアップセミナーで、千葉県会場にお邪魔した際にも登場。下見の際に、多種多様な植物が植わった会場の一角に着いたときに、〈自然の紋〉さん(?)が「私の出番よね〜」って言った気がしました。おかげさまで当日、午前の活動の締めくくりに、良い時間を持てました。
〈自然の紋〉は元日本協会スタッフ、先輩のちゃっきー考案。感謝感謝です。