【ネイチャーゲーム×リトリート】第1弾の記事の中で、みっちり自己紹介をしましたので、今回はいきなり本題から話します。
リトリートのガイド中には、様々な「風」を実際にお客様に感じて頂いています。
リトリートは、自然に触れに行く旅、というよりも、自分を自然のリズムに浸す旅といえます。
例えるなら、滝を見に行くのが観光で、滝に打たれるのがリトリート、どっぷり自然に浸かることが肝心です。
私は、よく五感を開くワークとして「サイレントタイム」を設けます。 数分、目を閉じて、ただ五感で自然を感じていただくワークなのですが、五感が開き始めると、まず最初に気づくのが「風」です。 温度、匂い、リズム、吹いてくる方向、肌に触れたときの感触。
風は、その日の自然を素直に伝えてくれます。
ネイチャーゲームNO.138に〈風いくつ〉というゲームがあります。 風をいろんな角度から“いくつも感じる”というもの。
で、この“風いくつ”は、私のリトリートでも五感をひらくワークで似た事を行っています。
(1)さまざまな感覚を使って、風を探し、数える。数えずにただ探すだけでもよい。
(2)風と出会ったら、じっくりとその風をさまざまな感覚で味わう。
(3)(グループの場合)感じたことなどを話し合う。
毎年夏になると、千葉県南部では、海風が吹くと内陸まで風が届く場所があります。 海からV字谷のような地形になっていて、最後に吹きあがる場所、そこで海風を感じるワークを行っていて、それを「海風タイタニック」と名付けています(笑)
太陽がジリジリ照りつける8月の山の中、普通なら“灼熱”のはずなのに、ある崖のスポットだけ、まるで海岸にいるような冷たい風が吹き上がってきて、私はそんな秘密のスポットを数カ所知っています。
この名前を付ける前から、私はこの海風を楽しんでいましたが、今年の夏からはこちらもリトリートの一環で「海風タイタニック」と名付けて、参加者の方にも体験していただいています。 実際、その場所にお連れすると、もう皆さん一撃でハマります。
と、どの方も口をそろえて仰います。また、真夏に涼しいのも良いですね。
また、V字谷も、そこから駆け上がる崖も、それぞれ角度が微妙に違い、海風タイタニックの場所も変わります。
風を読むと「この場所が今日いちばん気持ちいい」が分かるようになってきます。 真夏に“涼しさの宝物”を見つける。これも立派な〈風いくつ〉なんです。
ちなみに今は冬、あまり冷たい風には当たりたくないので、冬の強い西風を防いでくれる場所で焚き火を楽しみ、ヨガやマインドフルネスなどのリトリート体験をしています。
風いくつならぬ「風なし」これも、自然のリズムと人のリズムを合わせる、ひとつの方法と言えます。

リトリートの夜のプログラムでは星空観察も行います。天体望遠鏡ありきの星空観察ではなく、リトリートプログラムとしてリラクゼーション目的ですから、ヨガマットに寝転び、シャバアーサナというヨガのポーズで星空を見上げます。
すると、同時に“飛行機観察”も得意になってきます。
千葉県上空は、羽田と成田の航路が重なっていて、夜になれば空の大渋滞、お盆などは、海上も含めると10機以上飛んでいます。 で、飛行機には航路があって、必ず風上に向かって着陸していきます。風向きが変わるたびに、航路も着陸コースもガラッと変わる。
これが面白くて、見ていると飽きません。曇りで星空が見えない時は、飛行機を観察している時もあります。お子様などは、こっちの方に興味を持って盛り上がる事もあります。
昨年の4月、私は千葉市の観光系専門学校「国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校」の観光科アウトドアコースの講師もしていて、新入生との初日オリエンテーションでのことです。
まだ、彼らも緊張していますから、学校前の公園を歩きながらお互いの自己紹介をしているとき、私の肌センサー“風いくつ”は、強い西風をキャッチしていました。 そこに、羽田へ向かう飛行機が入ってきたのです。
この風、飛行機の高さ、飛行機の角度から、私は一瞬で「これは必ず西に折れるな」と分かりました。
そこで、生徒たちに向かって、 「見ててごらん。あの飛行機のコースを曲げてみせるから!!」 と言いました。
もちろん初対面だから、みんな目が点です。
私は手をかざして「はぁああああ~~~~~!!」と念力を送りはじめました。
生徒A「せ、、先生??」
生徒B「あの、、先生、急にどうしたの、、?大丈夫?」
生徒C「曲げるって。。空飛んでんだけど。。」
彼らとは今日が初対面、生徒達に「この先生、大丈夫かな。。」という空気が立ち込めます。 その次の瞬間、飛行機はぐんぐんと向きを変え、ほぼ直角方向に曲がって羽田空港に向かって行きました。
生徒A「おおお!本当に曲がった!!」
生徒B「すげぇ、先生!!」
生徒C「ええ??何で何で??最初っから曲がるって知ってたの?」
私「自然を学んでいると風向きで分かるんだよ、皆が卒業するときには、分かるようになっているさ!」
こんな感じで初日の掴みはOK!!初日のオリエンテーションで、彼らの度肝を抜く演出ができました。
今でも「先生、飛行機曲げられるんだから、これも出来るでしょ!」と言われることがあります(笑)
また、学科の枠を超えて「飛行機を曲げた先生」として、生徒達の間で語り草になっているようです。
〈風いくつ〉で風の“リズム”が分かるようになってくると、自分がそのリズムに合わせて、様々な風の演出ができます。意識してなかったら「ただの風」なのに、意識をして風をキャッチできるようになると、こんな体験をお届けすることができます、自然は本当に面白い。
リトリートは「ヒトが自然の一部に還る旅」 風の温度、リズム、匂い、触れ心地、流れ、そのすべてが自然の声です。
真夏であるにも関わらず「海風タイタニック」で風の涼しさに驚く瞬間も、生徒とオリエンテーションをしながらも、肌に当たる風を感じ、飛行機の進路が分かった瞬間も、全部〈風いくつ〉が生きている証拠です。
風を読むと、自分も風をキャッチするセンサーになり、いつしか風のリズムと同調して、いつしか、自分もその自然の一部になっていきます。 これがリトリートで大切にしている感覚です。
風はいくつものメッセージを届けてくれて、私達を楽しませてくれます。それをキャッチして、プログラムに活かすかどうかは、皆様に掛かっています。
飛行機を曲げた男以上の〈風いくつ〉を見つけた人は、教えてくださいね(笑)
(2026.01.19記事作成)
千葉県在住のネイチャーセラピスト
鹿野山自然学校校長
リトリートのプロデューサーとして、全国のリトリート施設の開発に携わる。2024年12月に出版したリトリートのガイド本「リトリート休養術」はAmazon kindleで2部門でベストセラー1位。(2025.4.9〜4.10)



