
熊本市動植物園の松本園長(フィールドネーム:あっちゃん)はリーダー資格取得後、園内でのシェアリングネイチャー活動を県協会の仲間といっしょにすすめています。「自然が好き」で世界を変える、そのメッセージを身近な場所「動植物園」で広げています。
熊本市動植物園では、毎年夏休みに夜間開園が行われます。夏休みにはいってすぐの週末に親子で夜のネイチャーゲームを楽しみました。昼間の暑さも少しやわらぎ始める夕暮れから夜へ移ろうひととき、親子20名ほどでの活動です。
ネイチャーゲーム大好きな熊本県のリーダーと参加者が輪になって自己紹介を始めると、その表情をやさしく照らす夕陽がこれから始まる夜の雰囲気を盛り上げてくれているようで、期待感がふくらみます。
この日はとても気持ち良く晴れていて、まずは〈今のわたし〉で、自分の心に意識を向ける、ちょっと大人な活動です。案内役は高校教師のミネさん。
その後、親子それぞれお気に入りの場所をみつけてしばらくすごします。刻々と移りゆく夕焼け空がかもしだす、やさしい雰囲気につつまれて、静かに夜がやってこようとしています。 自然に向き合い、自分にも向き合う、そんな親子の時間です。
しばらく夕暮れのひとときをすごしたあと、進行役のチャオミンが集合の合図のダックコールを鳴らします。それぞれが名残惜しそうにお気に入りの場所を離れて、最初の場所へ集まり、また輪になって座ります。
この夜はもっとコウモリのことを知ってほしくて、保育士のミカちゃんが一冊のコウモリの絵本を紹介してくれました。
エサとなる虫のとり方や超音波の使い方、世界で1400種類以上のコウモリがいること、中にはおしゃべり好きなコウモリもいることなど、コウモリについてさらに興味がわき始めます。
(この日参考にした絵本:こうもり 作:アヤ井アキコ 監修:福井大 発行:株式会社偕成社)

ここで、「コウモリ」と「ガ」を疑似体験できるネイチャーゲーム〈コウモリとガ〉を参加者に体験してもらいます。
〈コウモリとガ〉の楽しみ方
(4)コウモリ役、ガ役、壁役を順番にできるよう交代しながら行う。やってみて感じたことをわかちあう。
実際には、このように進めました。
「では、そんなコウモリがどんな風に食べ物をとるのか、実際にみんなでやってみたいと思います。コウモリ役、それにコウモリが大好きなガの役、そしてすみかの森はみんなで作ります。」
最初に保育士のタッツーがコウモリ役を演じます。 コウモリ役はバンダナで目隠しし、腰を落として大きく手を広げてガをつかまえに行きます。大きな声で「バット!」「バット!」と発しています。
生きもの研究者のクッキーはガ役となり、参加者みんなで両手をつなげて作った大きな輪の中に入ります。
ガはこの森の中から出られませんが、気配を消しながら、タッチされないようにかがんだり立ち止まったりしながら、足音でも気づかれないように工夫して逃げています。コウモリの発する超音波「バット!」には「モス!」「モス!」と答えていくので、大変そうです。
見本が終わると、そのようすを見てイメージをつかめたようで、コウモリ役の練習をしています。
さあ、これからが本番です。コウモリとガ、それぞれ希望者がたくさんいますので、交代しながらやっていきます。

・コウモリ役はバンダナで目隠しして、腰を深く下ろし、大きく手を広げて、できるだけ大きめのジェスチャーでつかまえます。
・耳がたよりなので、バンダナで耳がかぶらないようにするのも注意しましょう。
・広げた手が森にあたることもあるので、森役はやさしく教えてあげましょう。
・人数に応じて森の広さとガ役の数を調節します。この日は参加者が多かったので、大きめの森で、ガ役として一度に3~4人、交代しながら全員がコウモリとガ、どちらかになってもらいました。

終わった後の感想では「目が見えないので、難しかったけれど、楽しかった」「逃げるのが面白かった」などがありました。
実際に体験する事で「食う、食われる」の自然界の成り立ちを考える〈コウモリとガ〉、またやってみたいアクティビティです。
その後、あたりは暗くなり、次の活動へ移ろうとしたところ、みんなの頭上をヒラリと何か飛んでいく生きものがいました・・・。
なんと、コウモリです!
園内に生息する食べ物を探しに夜の狩の時間の始まりでした。人の暮らす身近な場所で日常的に行われている、そんな貴重な瞬間に出会った夜となりました。
(2026.07.07記事作成)
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ネイチャーゲームインストラクター
森林インストラクター
茶と書のデザイナー
佐賀県有田町出身。熊本県八代市泉町在住。コミュニティビレッジ山暮らしカフェ代表。1996年に家族4人で山村へ移住。釜炒り茶、炭焼き、竹細工など、貴重な山村生活文化を学ぶ。ネイチャーゲーム、森のようちえんなどの自然体験を通じた環境教育活動、熊本地震や球磨川豪雨災害などの支援活動に取組む。江戸時代後期、煎茶を庶民に広めた売茶翁(ばいさおう)とムーミンがアイドル。活動中のお茶のじかんが楽しみ。
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