夏には涼しい木陰を作ってくれた森の木々ですが、葉が落ちると森はいつもと違う表情を見せてくれます。
葉っぱを脱ぎ捨てた冬の木たちには個性があります。 空に向かって指を広げるように枝を伸ばす木、どっしりと横に腕を広げる木、少し首をかしげたような曲線を描く木……。
「手がいっぱいあるみたいな形が面白いね。」「あの木はずっと上までまっすぐにのびているよ。」と、今まで気づかなかった木のシルエットをじっくり見てみました。

突然、私はとある木の形を大げさに全身で表現してみました。
すると、見ていた子どもたちはまわりをキョロキョロ見て、「あっ!あの木だ!こっちの枝が曲がっているもの」と、すぐに木の特徴を見つけて指さしました。
と言うと、すぐに子どもたちは森の中の木のそばに行ったり、少し離れたところから木全体の形を見たりしています。
足を力強く踏ん張って、両手をギザギザに広げる子、風に吹かれている枝を表現してゆらゆら揺れている子、自由にシルエットを表現しています。
最初は少し照れていた大人たちも、いざやってみると「この枝の曲がり具合、意外と難しいな!」と夢中になり、「そっくり!」「かっこいい!」と笑い声が響いてきました。数人で協力して根っこや幹、枝先を工夫しているグループもありました。
〈木のシルエット〉の遊び方は次の通りです。
1)リーダーが「ある木の」シルエットを演じて見せ、どの木なのか参加者にあててもらう
2)参加者がシルエットを演じる木を探し、シルエットを演じる練習をしてもらう(グループでも可)
3)集合して、順番に木のシルエットを演じて、他の人にあててもらう
4)全員が終わったら、木のどんな部分を強調したか、木になっている時の気持ちなどを聞いてみる

みんなの前で順番にシルエットを演じて、どの木になったのか当ててもらうと、みんなニコニコうれしそうです。
と感想を言った子がいました。
まさに自然との一体感が生まれたのですね。
より楽しむためのコツ
・「お気に入り」を見つける時間を十分に
すぐに形を真似するのではなく、まずは森を歩き、木の特徴を見つけて「気になる形」を探す時間を大切にします。
・グループで「森」を作る
一人でシルエットを表現するのもいいのですが、最後にみんなで集まって、それぞれが真似した木を配置し森を作ると、連帯感が生まれてさらに盛り上がります。
・「わかちあい」の言葉を添える
「どうしてその木を選んだの?」と問いかけることで、参加者の内面にある発見を引き出すことができます。
注意点:安全に楽しく行うために
木の形を真似してポーズをとる際、上を見上げがちになります。切り株や根っこ、濡れた落ち葉で足を滑らせないよう、平らな場所を選びましょう。
強風の後などには折れた枝が木に引っかかっていることがあります。落枝がないかを事前に確認しておくようにしましょう。
・寒さ対策
冬の森は、じっとしているとすぐに体が冷えます。ポーズをとる前後には、大きく体を動かす準備運動を取り入れ、防寒着の着脱もこまめに行ってください。
・植物への配慮
「なりきる」ことに夢中になって、実際の木の枝を折ったり、根元を踏み固めすぎたりしないよう、自然への配慮を忘れずに。

葉が落ちた後の木は、決して枯れているわけではありません。春に向けてエネルギーを蓄え、力強く立っているシルエットは、私たちに生命の美しさを教えてくれます。
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ネイチャーゲームトレーナー
毎朝起きるとすぐに窓を開けて「おはよう」とあいさつをする木があります。その時の気持ちを木と通わせて呼吸を整え、「さあ、今日も一日楽しもう!」と動き始めます。遠くの森に出かけなくても、身近な自然から喜びを感じています。





