そこは、五感で自然を感じ、不思議や発見をわかちあう 「ネイチャーゲーム」を保育に取り入れている、ねむの木保育園。
「ネイチャーゲーム」が子どもたちとまわりの大人たちに、どんなワクワクやキラキラをもたらしているのか、取材してきました!
保育園のシンボルであるねむの木を真ん中に、さまざまな植物が茂る園庭。園のすぐ隣には背の高い木々が屋根のように覆う公園。ネイチャーゲームをするのにもってこいの環境です。
自然の中で、ギターを奏でながら子どもと遊ぶ“そのやんの日”のひとコマ。
子どもたちが成長して『園庭でそのやんっていう人と一緒に遊んだな』と思い出すときがあるはず、と村田さん。
落ち葉や木の実を使ったクラフト活動や、拾った木の枝を自分に見立てた遊びなど、子どもたちの年齢、興味・関心を大切にしながらアレンジした、ねむの木保育園版ネイチャーゲームの数々を、楽しそうに紹介してくれる園長の村田隆行さん。
そんな村田さんも、リーダーの資格をとってしばらくは、型通りやろうと必死でした。
園でネイチャーゲームを取り入れる意味をこうも続けます。
五感を使って、全身で自然とたわむれた園での時間が、子どもたちの原風景として残り、ふとしたときに思い出してもらえたらいいなと思うんです
ねむの木保育園では、ネイチャーゲームリーダー養成講座を園の研修として勧めています。その理由を、村田さんはこう話します。
実際に講座を受け、リーダー資格を取得した4名の保育士の先生にもお話をうかがいました。
どの先生も始めは、「ネイチャーゲームって何?」「リーダーって難しいんじゃない?」と少し不安を感じていたとか。けれど、それは杞憂に過ぎず、ネイチャーゲームに出会えてよかったと口をそろえます。

と、地域の子育て支援を担当する岡野啓子さん。同じ担当の高村千鶴さんも、
と、自然との向き合い方と保育観の変化を語ります。
そして、毎年クラス担任をしている寺澤友梨さんは、保育にネイチャーゲームの視点が入ることで、子どもの遊びや世界が広がると気づいたそうです。
事務担当の美澤奈美子さんは、ネイチャーゲームが子どもの感性を育む保育環境の大きな要素であるとも。
先生方の話題は、〝自然に触れ・感じ・わかちあう〟毎日がもたらした子どもたちの素敵なエピソードへと続きます。
それがネイチャーゲームをきっかけに、そのさくらの木が傾いているのを〝かわいそう〟と思うようになったみたいで、木を下から『大丈夫かな』って支える姿が見られるようになったんです。さくらの木に新たな親しみが生まれて、そういう行動に至ったのには、とても驚きました
と話すのは、当時、その子どもたちの担任をしていた寺澤さん。続いて、村田さんも懐かしそうに振り返ります。
長い時間をかけてネイチャーゲームをして、木との関わりを持てるいい空間だったと、先生方みんなでしみじみ。
ネイチャーゲームを通じて「木も生きている、個性がある」と感じ、大切にしようとする気持ちが芽生えた子どもたち。そしてそれに気づき、よりそう大人たち。そんな園のやさしい 空気に、子どもたちの感性は育まれ、大切な思い出の一ページとして心に刻まれていくのでしょう。
最後に、「ネイチャーゲームを知らない先生たちに勧めたい」「園でネイチャーゲームを広げたい」と考えている保育士、幼稚園の先生に向けて、アプローチのアイデアをうかがいました。
子どもは自然の中で、不思議や発見を純粋に楽しみ、遊びを作る名人。大人が気づかなかったおもしろさを教えてくれるかもしれません。
「ネイチャーゲームとは何ぞや?」を説明しようと気負わずに、まずはネイチャーゲームのエッセンスを取り入れた遊びを、大人も子どもに返って、子どもと一緒に楽しむことから始めてみませんか。
アイデア1 楽しさをわかってもらえば、広がるきっかけに
落ち葉に色をつけ、スタンプにしてペタペタと押していくうちに、「ハリネズミに見えるね」「鳥さんみたいだね」という会話が広がっていきます。こういう遊び方も、ネイチャーのひとつになると思うんです。葉っぱを1枚1枚じっくり見ているだけで、葉っぱにも個性があることに気がつきます。それをきっかけに、ネイチャーゲームに興味を持ってもらえるといいなと思います。(美澤さん)
アイデア2 子どもたちの姿から気づいてもらうのもひとつの手
いろいろな業務がある中で、ネイチャーゲームを知ってもらおうと準備するのは、なかなか大変だと思います。だから「、いいな」と思っているアクティビティをとりあえずやってみる!すると、子どもたちから何かしら反応があるはずで、その姿がすべてを物語っています。「楽しかった」と家庭で話してくれたり、その後も遊びが続いて、つながったりしていきます。まわりの先生たちもその様子に気づいて、「ネイチャーゲーム楽しそうだね」「こういう自然遊びがあるんだね」と派生させていくのもひとつかなと思います。(寺澤さん)
アイデア3 作品を展示して保護者の方々も巻き込んじゃう!
園では、ネイチャーで作った作品を、その日のうちにエントランスなどに掲示します。お迎えに来た保護者の方に、「こんなの作ったよ!」と子どもが話しやすくなるんです。楽しそうな様子から、こんな素敵なことをしたんだなって伝わります。中には服が汚れる泥遊びなどを敬遠する保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、「これなら子どもと一緒にやりたい」って思ってもらえるアクティビティもあるはずです。子どもの世界は当然、家庭にもつながっていますから、園でのネイチャーゲームの体験を話してくれるんですよね。子どもを通して家庭と園、双方に浸透していくと思います。(寺澤さん)
※情報誌「シェアリングネイチャーライフ」Vol.47 特集(取材・文:茂木奈穂子 編集:藤田航平・新名直子・豊国光菜子、校條真(風讃社))をウェブ用に再構成しました。
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