Vol.2 生命の一体性
前号では、「人びとに自然の中の歓びを感じてもらうお手伝いをするにはどうしたらいか?」について書きました。私は、「ネイチャーゲームの指導者として、私たちがどれだけ効果を発揮できるかは、私たち自身の自然体験の深さによって決まる」と考えています。すべてのネイチャーゲームリーダーが、自然への意識と愛を育むために、毎日インスピレーションに満ちたアクティビティ、または、瞑想を行なうことができれば、どれだけすばらしいことでしょう。
本号では、ネイチャーゲーム指導者の皆さんに具体的なレッスンを提案したいと思います。左記のネイチャーゲームアクティビティの中から、あるいは、この他にあなたにインスピレーションを与え、内省を促すアクティビティがあれば、その中からひとつを選んで実践することをお勧めします。
Expanding Circles〈感覚の輪〉
Silent Sharing Walk〈サイレントウォーク〉
Vertical Poem〈バーティカルポエム〉
John Muir's Game〈ジョン・ミューアゲーム〉
Stillness Meditation〈スティルネスメディテーション〉
Trail of Beauty〈美の小道〉
ジョン・ミューアは、「木(と自然すべて)を知るには、木自身と同じように心配事や時間から解放されていなければならない」と言っています。私は、美しい風景をより深く味わうために思考を鎮めたいと思うときには、グランドキャニオンを訪れたときにインスピレーションを得て書いた詩を繰り返すことにしています。
心を沈黙に導き
思いをめぐらすことを止める
私はなりたい
目の前にあるすべてのものに
自分を忘れるなかで
私はすべてのものになる
皆さんが、毎日自然の中の歓びを感じ、わかちあうことができますように。
Joseph Cornell
ジョセフ・コーネル
1950年米国カリフォルニア州生まれ。野外教育インストラクターを経て、1979年『Sharing Nature with Children』(邦題:『ネイチャーゲーム1』柏書房)を発表。現在、世界的なナチュラリストとして活躍。米国アナンダ村で瞑想やヨガ、菜食主義を取り入れた自然と調和する日常生活を送っている。シェアリングネイチャーワールドワイド会長。(公社)日本シェアリングネイチャー協会名誉会長。
ジョセフ・コーネル 近況報告
ジョセフとアナンディ・コーネルは、北米カリフォルニア州、アナンダ・ワールド・ブラザーフッド・ビレッジに35年以上暮らしてきました。昨冬、アナンダ村の創設者スワミ・クリヤナンダが創設したスワミとしてのイニシエーションを受ける栄誉を受けました。
John Muir ジョン・ミューア
1837-1914
米国の自然保護の父、国立公園システムの礎を築いた人物。現在でも米国の環境保護運動に強い影響を与え続けている。カリフォルニア州ヨセミテ国立公園は、ミューアの働きかけによって1892年に誕生。環境保護団体「シエラ・クラブ」初代会長としても有名。
翻訳:藤牧智子
※本記事は情報誌「ネイチャーゲームの森 vol.70」(2010年6月15日発行)より転載しています。
団体名称、役職者名等について発行時の表記となっている場合があります。