ABOUT

私たちの歩み

五感を使って自然とふれあうネイチャーゲーム。
2016年、普及活動開始から30周年をむかえ、私たちが蒔いた種はさまざまな形で花開いています。
わたしたちのこれまでの足跡をたどります。

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※ネイチャーゲーム普及30周年記念誌印刷版の取り寄せができます。

取り寄せ先はtool@naturegame.or.jpまで(在庫がなくなり次第終了)。

1979-1989 ネイチャーゲームがやってきた!

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=はじまりは一冊の本との出会い=

1982年、東京都の自然教室でリーダーをしていた服部道夫(現・当協会理事)は、雑誌に掲載されていた、一冊の本の紹介記事に目をとめました。

1979年に発行された、アメリカのジョセフ・コーネル氏の著作"Sharing Nature with Children"─野外でのゲームを通じて自然の認識を深めることを目標とした内容で、単に生物の名前や特色などを覚えるのではなく、自然を体で理解させようとすることがメインテーマになっている...。

その一文を読み「これこそが私の求めていたものだ!」と直感した服部はさっそく原書を取り寄せ、高尾ビジターセンターの解説員だった吉田正人氏(現・筑波大学大学院人間総合科学研究科教授)に紹介、降旗信一氏(現・東京農工大学准教授)、保母禎造氏(現・成蹊中学・高等学校教頭)、辻淑子氏(現・あきる野市議会議員)をはじめとする「日本ナチュラリスト協会」の若手メンバーとともに、日本語翻訳と活動の実践に取り組むことになりました。

同じく会員であった芳賀啓氏(現・出版社「之潮」代表)と夫人である普子氏のご尽力もあり、その後約三年にわたる翻訳作業を経て日本語版が完成。日本人にとってわかりやすく親しみやすい『ネイチャーゲーム』というタイトルで、1986年8月、記念すべき初版本発行が実現しました。

本の発行とほぼ同時期に初来日したコーネル氏による2週間のワークショップは、ネイチャーゲームの普及活動をさらに推し進めるきっかけになりました。新しい自然観察の方法論を追求する「日本ナチュラリスト協会シェアリングネイチャーグループ」の発足 と、活動の運営母体となる有限会社の設立は、研究と普及事業の両面から活動を支える組織づくりであり、その後の活動の在り方を模索する上での基盤になったと言えるでしょう。  

そんな中、リゾート施設からネイチャーゲーム導入の依頼があり、これを機に私たちはコーネル氏と正式なライセンス契約を締結。本格的な指導者養成事業をはじめとした多角的な事業化に向けて大きな一歩を踏み出したのです。

1990-1997  普及促進の鍵となった、参加者たちの声

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福岡県で行われた全国ネイチャーゲーム研究大会の様子(2018年)

=法人化への確かな歩み=

次の段階として、私たちはネイチャーゲームという"かたちのないプログラム"を普及させるプロセスの体系化に取り組みました。1990年「第1回ネイチャーゲーム初級指導員養成講座」開催の際に作成した『指導員ハンドブック』が、その取り組みの成果です。これはネイチャーゲームの理念・アクティビティの手順などをまとめたもので、資格を取得した指導員たちが手引きとして使用することで、基本的なねらいや手順に則ったネイチャーゲームを実施できるようになりました。  

全国に指導者が増えていく中で、1991年には指導員が一同に集まっての研修・交流事業の一環として「全国ネイチャーゲーム研究大会」がスタート。さらに翌年には日本各所で同じ日にネイチャーゲームを行う「全国一斉自然とふれあうネイチャーゲーム大会」が開催されるなど、活動はかつてない盛り上がりを見せていきました。  

1993年には、任意団体として「日本ネイチャーゲーム協会」を設立。それにともない、正式な定款・役員・会員制度なども整備し、ネイチャーゲームの普及を担う"団体"としての第一歩を踏み出しました。また、活動を進める中で、参加した会員・指導者の多くから寄せられた『地域単位で定期的に開催する機会をもちたい』との強い要望を受けて組織的な「普及計画」を立て、全国の市区町村に子どもと家族が共に身近な自然とふれあい、自然への理解と体験を深める場としての「ネイチャーゲームの会」の設置が決まりました。同年2月には26の「地域ネイチャーゲームの会」が誕生するとともに、複数の地域の会を有する都道府県に支部を置き、「全国組織」としての整備も進んでいくことになりました。  

こうして公益的な活動としてのネイチャーゲームが社会的な認知を得ることを目指して、法人化に向けた準備は着々と進み、任意団体として協会を立ち上げてから4年を経た1997年、ついに「社団法人日本ネイチャーゲーム協会」の設立が叶ったのです。

1998-2016  自然と共生する社会の実現に向かって

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=私たちが目指すもの=

協会の法人化は、ネイチャーゲーム普及活動がスタートしてから11年目にして、私たちの考え方に大きな変革をもたらす大きな節目となりました。これからは今まで以上に社会のニーズを把握し、それにどう応えるかを問い続け、実践することが求められる...。協会に関わる会員、スタッフ全員が公益法人としての使命を自覚し、背筋を正して新たな扉を開いたのです。  

法人化されたのちも、活動の中心的柱である指導者養成事業「ネイチャーゲームリーダー養成講座」の実施を通して、普及活動の中心を担う指導者組織として成長を遂げました。これまでの受講者は約4万人にのぼり、リーダーとして全国各地で活躍しています。  

指導者養成・研修事業を柱として順調な活動を進めていた当協会は、2013年、「公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会」 と名称を改めました。これにより、ネイチャーゲームの普及だけでなく、シェアリングネイチャー=《自然をわかちあう》という深い理念をもった団体として、また一歩大きく前進をはじめたのです。  

ネイチャーゲームによって、自然に親しみ、自然から学び、自然との一体感を直感的に体験した人は、やがて生命を大切にしたいという意識を持つようになるでしょう。そうした人が一人でも増えることが、私たちの目指す『人が自然を尊重し共生していく社会をつくる』ことにつながっていくのだと信じています。  

2016年には、日本でのネイチャーゲーム普及30周年を記念して、国内で6冊目となるコーネル氏の著作『空と大地が私に触れた』の日本語版出版をはじめ、「会員のつどい」「教育関係者向けの講演会」「トークイベント」などの記念事業が開催されました。

このような活動の積み重ねが、私たちの恒久的目的の実現につながることを信じて─。  



日本シェリングネイチャー協会はこれからも、

会員の皆様、そして自然を愛する人たちと共に歩み続けます。

情報誌の変遷

私たちの活動とマインドを伝える情報誌。

1993年3月に第1号が発行されて以来、年に4回、情報をお届けし続けています。

2017年12月には通巻100号を迎えました。



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