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片ハサミのザリガニが教えてくれたこと

こんにちは、ちゃっきーです。
自分の息抜きに、子育てと自然に関するコラムを自分のスマホに書き溜めています。その中から、ちょうど3年前の、2016年6月13日に書いたものを紹介します!
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J・コーネルの著書『ネイチャーゲーム3』に"鳥と鳥類図鑑とが一致しないときは、いつも鳥のほうを信じること"という格言が紹介されている。私はこの格言がネイチャーゲームの「体験第一、解説はあとで」や「チャンスを逃さないで」を含み、Sharing Natureの世界観をうまく表している言葉のように思っている。それに関するエピソード。
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 我が家ではザリガニを飼っている。同じ水槽に、ドジョウ・タニシ(メダカも時々)入れている。ザリガニを飼うなんて40年ぶり...図鑑や飼育のノウハウが書かれた本を読み、できるだけいい環境を整えようと勉強しながら「幅60cmの生態系」を見つめてきた。脱皮、交尾、産卵、脱皮不全による絶命、喧嘩による衰弱や絶命、水槽内の食う食われるの関係...この小さい空間は常にドラマチックだ。

 いま4匹いるザリガニのうち、雄の1匹は脱皮の時に片方のハサミを落として以降、「片バサミ」で生きている。図鑑などによると2回程の脱皮を経て、新しいハサミを復元(?)させるらしい。人間にはない、ザリガニの「生態」に驚くことはこれが初めてではなく、脱皮前に体内のカルシウムを胃石に溜め込み保存することや、脱皮した殻を自分でほぼ完食すること、メダカを補食した「食べ残し」が全くないことなど...自分(人間)と比べて、勝っているとしか思えない生態を知っては、ザリガニへの尊敬が強まるばかりの日々である。
1-3.jpg ここからが、文頭で紹介したバードウォッチャーの諺につながるエピソード...。図鑑や飼育本には「片ハサミのザリガニは繁殖ができません」と書いてあることが多い。繁殖の際には、雌の2つのハサミを雄が自分のハサミで挟み込み、押さえつけるように体を固定して交尾をするために、片方のハサミしかないと交尾ができないのだな...と頭で理解していた。しかし、うちの片ハサミくんは、雌の二本の腕をクロスさせて、クロスさせた接点を1つしかない自分のハサミで横から上手に挟み込み、交尾をする(交尾中に写真撮ることに気が引けて、写真はなし...いま思うと、大後悔)。何度かその姿で交尾をした後に相手の雌はしっかりと産卵し、孵化して元気な稚魚になった。

1-7.jpg  子どもとザリガニ釣りに行くと、高い確率で「片ハサミ」が釣れる。ある子連れのママ達が「ザリガニの飼い方」が書かれた冊子を手に「片ハサミは交尾できないって書いてあるよ。うちの雌の結婚相手にならないから両方にハサミがあるのを持って帰ろう」と子どもに説明していた。それを聞きながら、「いえいえ、片ハサミでも立派に交尾しますよ」と心の中で思っていた。

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 「片ハサミ」でいることは、食べ物を確保しづらかったり、喧嘩に弱くなったり、交尾に手間取って雌に逃げられたり、他の雄に横取りされる可能性も高いだろう。生存競争においては、両ハサミよりはリスクが高いことは否めない。うちの「片ハサミくん」が交尾できたのも水槽という限られた環境だっただけで、自然下ではあり得ないことだったのかもしれない。でも図鑑にある「片ハサミは繁殖できない」という定説に当てはまらないザリガニも実際にいるのである。
1-5.jpg シロツメクサは三つ葉だが稀に四つ葉もいる。ここまでは「定説」だろう。でも、じつは五つ葉もあるし、逆に二つ葉だってある。私たちが思うよりももっと、自然の"触れ幅"は大きいのである。図鑑通りではないヤツが至る所に存在している...そう思うと、ますます自然が面白く感じるのである。
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19年06月13日 投稿者:ちゃっきー コメント(0) 
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