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2019年7月の記事一覧

雨の日 郵便局まで

出かけようとしたら雨が降ってきた

 郵便局に行こうと外に出るとパラパラ弱い雨が降り出した
 いつもは自転車で行くのだけど、自転車はあきらめて傘をさして歩き出す
 せっかくなので、今日はちょっと意識を変えて「雨を楽しむ」テーマで歩いてみることにした

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 ビニール傘にあたる雨粒の音
 「ぽつぽつ」ではないなぁ 全然ちがう
 「チッチッ」でもない

 「ばっばっ」かなぁ
 音を表現するのって難しいなぁ
 しばし静かに落ちてくる雨の音に耳を傾ける

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 弱い雨だけど
 あっという間に
 乾いている所がなくなってきた
 どんどん
 乾いている所が減っていく
 陣取り合戦みたい
 乾燥軍劣勢
 がんばれ!
 

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 喫茶店の日よけから滴る雫を見つけた
 ネコバスを待つトトロのように
 傘で雫を受けてみる
 「ばすばすばすっ」
 これはいい音!
 自然とトトロのように「にひっ」
 とした顔になっちゃう

昔の記憶がよみがえってきた

 少し意識を変えただけで、
 たいくつな郵便局までの移動が
 なんとも充実した道のりになってきたぞ

 そして、なぜか昔の記憶がふとよみがえってきた
 小学生低学年のころ
 突然の夕立
 駄菓子屋で雨宿り
 隣に住む2歳年上のおにいちゃんが
 すぐやむからと言ったのに
 急に真っ暗になった空が怖くなって
 猛烈な雨の中走って帰り
 家に着いた時に
 雨はやんでいたこと
 母親にも馬鹿だねぇと言われたこと
 懐かしい記憶だ

あっ見える!

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 ふと目にした自転車のサドル
 じっと見る 
  東京都
  タコ
  犬
  伊豆半島
  サングラスetc
 見えてきた見えてきた!
 
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 軽トラックの荷台
 白いベルがいっぱいぶら下がってる

 

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 大きなユリノキの下に入ってみた
 雨は落ちてこないので
 傘をたたむと
 葉っぱにあたる雨粒の音かな
 今までとはちがう音が聞こえてくる
 面白いなぁ
 そして
 葉っぱかわいいなぁ


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 こうして水に映り込む景色も面白いね
 反転した世界を覗いているよう
 よくドラマや映画の
 夜のシーンで
 雨が降っていないのに
 地面が濡れているのは
 わざと地面を濡らして
 街灯などの光を反射させて
 夜の雰囲気をつくる手法
 と、昔撮影の授業で習ったことを思い出す
 映画バック・トゥ・ザ・フューチャーで
 デロリアンが時間を超えるシーンでも
 地面濡れてたでしょ!

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 マンホール脇にできた
 小さな水たまりを覗いてみる
 すいこまれそうな
 深い深い灰色の空と
 傘と
 自分


雨をよろこんでいる仲間

IMG_2080.jpg 歩道のタイルの隙間に
 力強く生きるコケを発見
 雨 うれしいんだろうなぁ
 それにしても
 すばらしいぷっくり感
 触らずにはいられない
 しつこくぷにぷにしてごめんね

IMG_2087.jpg 事務所下の満開のトランペット
 この子たちも雨よろこんでるはず

IMG_2088.jpg 事務所のエントランス
 まだ雨に濡れてないエリアがあった
 乾燥軍
 がんばってたんだなぁ


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 事務所に到着
 お疲れ様でした

何気ない日常で自然とつながる

 今回歩いたのは車がひっきりなしに通る大通り 
 いつもは自転車でササッと行って、ササッと帰ってくる道のり
 でも
 ・ちょっと意識を変えてみる
 ・心の中に楽しむゆとりを持つ
 をしてみただけで、
 どっぷりと自然とつながった
 おだやかな時間を過ごせました

 〜何気ない日常で自然とつながる〜
 
 これって
 きっと
 生きていく上で
 とても大切な時間
 になるんじゃないかなぁ
 
 ネイチャーゲームやってると
 自然と身につく感覚なのかもね

 楽しかった
 


watanabemineo-thumb-90x141-71.jpg渡辺 峰夫 わたなべ みねお
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 事務局長

最近はどっぷりと深い自然よりも、都市と隣り合わせている自然の姿が好きになってきて、特に、コンクリートの割れ目でもたくましく生きる植物や、使われなくなった人工物を飲み込んでいくような自然の姿にうっとりしている。


フォローアップセミナー [2019] 千葉県会場レポート

7月7日、七夕の日に開催された千葉県会場から、参加者の皆さんの声が届きました!
今回のフォローアップセミナーは雨。

雨の森は、静かでとても雰囲気があります。
参加者の皆さんは、カッパを着てセミナーにのぞまれたそうですが、セミナー終了の際には「雨も自然」であることに気づく方、「かえって涼しく快適だった」と振り返る方もいらっしゃったようです(^^)

講師は新井利佳トレーナー。小学校教諭ならでは!?周到な準備と、わかりやすい説明、穏やかな話し方や声のトーンに包まれながら、優しい雰囲気の中で新アクティビティに加え〈動物ジェスチャー〉〈ノアの箱船〉〈カモフラージュ〉などのお馴染みのアクティビティや、ネイチャーゲームグッズの「たんけんルーペ」を活用した〈森の色あわせ〉、〈かさね色〉〈森林浴のエクササイズ〉などなど...!たくさんのアクティビティ体験ができました!



・自然の流れでアクティビティが進み、気づけばたくさんの体験をしていました。
・気になっていたアレンジについて勉強できた
・いろいろな本の紹介があり、興味が深まった。
・講師の、野外での活動を大切にしようとしているところに感動しました!
「ネイチャーゲームならではの自然とのかかわり」を体感する1日でした。
・アクティビティをたくさん体験できた。
・雨ならではの雨粒のミクロハイク。素敵な天然の宝石でした!
・すべての体験が新鮮でためになりました。参加して良かったです。
・講師の話し方が語りかけるように心に響き心地よかった。
・雨も新鮮に感じた。
・思った以上にたくさんのアクティビティを教わり満足です。

などなど...参加者の皆さんから、たくさんの声が届きました!
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今 年の「講義テーマ」は「ネイチャーゲームのアレンジについて考えよう 〜ねらいを達成するための工夫〜」。全国の仲間たちが小さな子ども以外にも、高齢者 や障害のある方、人数が多いとき、少ないときなど、様々な条件に合わせてアクティビティを展開しています。そうした事例を講師、あるいは参加者のもってい るアイデアを持ち寄りながら、アレンジについて考えます。
実習では、自分自身が体験者として講師のスキルに刺激を受けたり、即実践できる内容をたくさん吸収できます!
ぜひ楽しみにご参加ください!

講師の新井利佳さん、開催いただいた千葉県シェアリングネイチャー協会のみなさま、おつかれさまでした&ありがとうございました!



2019年度のフォローアップセミナー
開催情報はこちらから!

フォローアップセミナー開催日程


重い障がいをもつ子どもたちに季節の自然を届けるシェアリングネイチャープログラム

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(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)

一本の電話からはじまった歩み

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(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)

NPO法人ひまわりProject Team 代表理事の藤原千里さんから話をいただいたのは2012年のこと。重い障害をもつ子どもたち(重症心身障害児。本文では以下「重症児」)を対象に、放課後に「自然あそび」を提供できないかと「放課後子どもひろば ひまわりHAUS」の活動について相談をいただいたことからスタート。ネイチャーゲームリーダー3~4名の協力をいただきながら毎年機会をいただき、8年目となった2019年も6月5日に訪問させていただきました。



重症心身障害児とは・・・
重度の知的障害及び重度の身体障害(肢体不自由)を併せもつ(重複障害)子どもたちのことです。障害が重く、ほとんど全面的な生活介護が必要なだけでなく、てんかんなどの他、呼吸機能、嚥下機能、消化器、姿勢など医療的管理が絶えず必要とされます。



参加者である重症児の子どもたちにとって、近所の公園の自然であっても「遠い場所」でした。車いすの子どもや、寝たきりの子ども、気管切開をしている子どももいます。段差はもちろん、土埃をはじめとするさまざまな自然物に対して注意が必要な場合もあります。また体温調整の難しさから暑さ、寒さ、日差しなども外での活動を制限する要因となります。こうした状況から屋外での活動においては、医療関係者の付き添いが必要な場合があるのです。


シェアリングネイチャーならではの

自然あそびと込める願い

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唐突ですが「サザエさん」の歌を思い出してみてください。オープニング、エンディングの映像に「季節の自然の様子」が流れています。参加する重症児の子どもたちも、こうしたテレビの映像を見て「今の季節の自然物」を見ているそうです。しかしそれらはあくまでも映像としての情報であり、その手触りや大きさ、細かな色合いなどは知らないかもしれません。
「見たことがある」「聞いたことがある」けれども、直接はふれたことのない自然との出会いを作り、「知っている」に変えていきたいというのが、最初にお聞きした代表理事の藤原さんの思いでした。
そこで考えたのが、子どもたちが野外に出られないなら、自然に来てもらおうという逆の発想、「季節の自然を配達しよう」です。そして季節の自然を活動場所である養護学校に届けるためにどうしたら良いかアイデアを出していきました。



 プログラム(1時間)の概要(2019.6.5の実施内容)
 ・みんなが知ってるトトロの音楽とお話で導入
 ・トトロの木と落ち葉など、季節の落し物を楽しもう
 ・旬の野草、野の花がやってきた
 ・旬のハーブを楽しもう。鼻をいっぱい使おう
 ・昆虫観察カップで虫観察
 ・ドングリマラカスを作って合奏しよう
 ・季節のクラフトのお土産プレゼント


受け身と積極性


FieidNote003P4.jpg(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)

プログラム案を組み立てていくにあたり感じたことが「私自身のこれまでの経験とのギャップ」です。
ネイチャーゲームの活動は参加者が主体的に動き、自分自身の五感、感性で自然を楽しむことが特徴です。しかし重症児の子どもたちは、身体を動かすことや、発語が難しい場合もあります。このことから、こちらの提供が多くなってしまうとともに、言葉のキャッチボールも難しく、「参加者が受け身になりすぎるのではないか」と感じてしまったのです。これについて初年度にまとめた実践報告で下記のように振り返っています。



この悩みに対して代表の方に言っていただけたのが「重症心身障害をもち手足が不自由な子どもにとって、触ること自体がとても能動的なことです」という言葉です。言葉を介しての意思表示やわかちあいが難しいとき、子どもたちが受け身の状態に見えるかもしれませんが、子どもたちが興味をもつということ、そして見ようとすること、触ろうとすること、耳を傾けること、においをかぐこと、これらが「自分自身の感覚を使う」という意味で、とても能動的な状態と言えるのだと気づかせていただきました。


地域活動事例より抜粋・再編(2013 年 3 月 15 日)



そして感覚統合へ

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(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)


本当に「知っている」とはどういうことか? 情報が溢れる社会になり、自分自身を振り返っても、安易に「知っている」と言ってしまっていると感じるときがあります。健常の子どもたちと遊ぶときにも、虫についてとてもよく知っているのに、「実物を見るのははじめて」ということがよくあります。本や図鑑から学び、たくさんの情報を知っていることは素晴らしいことですが、「本を見て知っている」と「実物を通して知っている」には大きな差があります。その差は実物を目の前にした、その子どもの輝く瞳からも伝わってきます。このことは、ひまわりHAUSの子どもたちも同様です。



ひまわりHAUSの活動目的の一つに「感覚統合」があります。たとえば、『赤+甘酸っぱい匂い+丸い+硬い+美味しい=リンゴ』と言ったつながりを理解するのは非常に難しいのですが、時間をかけて継続して刺激が入ることで理解できるようになります。五感の刺激を一つのものとして理解することができるようになり、子どもたちの興味はより一層深いものになります。身近に触れることの少ない自然界の物に対しては見ただけ、触っただけ、聞いただけでも喜べるのですが、見て、触って、聞いて、それが何かを理解できるようになることを目的にすることで継続していく価値はより高くなると思っています。


(NPO法人ひまわり Project Team 代表理事 藤原千里さん)


落ち葉を見比べると種類が違えばもちろんのこと、同じ種類でさえも一つ一つ違う姿形をしています。またつるつるした落ち葉に、ちくちくした落ち葉、季節の花々のしっとりとした感触、さまざまな香り、コロコロと転がっていく丸いドングリ、虫たちの動く様子はもちろん、その大きさや質感など、実物だからこそ持っている情報があります。実物にふれあうことで、写真や絵本、お話や歌では得られない情報が、さまざまな感覚を通して届くのです。


自然が好きなあなただから、できること

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(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)

私たちが取り組んでいる「季節の自然配達人」の活動は、打ち合わせはほとんどしていません。リーダー一人一人が「いまの自然」について、自分自身が見つけたもの、集められるもの、持ち寄れるものを伝えあい、それぞれに準備をしてきます。庭に草花が生えている仲間は野の花を、ハーブを育てている仲間はハーブを、無農薬の畑で作業する仲間は畑に集まるキアゲハの幼虫や飛んできたモンシロチョウを、さらに会場となる施設のすぐ近くの公園で虫たちを、そして季節のクラフトは得意なメンバーがそのときに提供できるものを用意しています。あとは当日にネイチャーゲームらしく「フローラーニング」を意識して、流れを大まかに決めて、いざ本番です。

ネイチャーゲームリーダーの仲間たちはもちろん、自然が好きな人たちは、日ごろから身近な自然にアンテナを張っていることと思います。そこにある見せたいもの、香りを楽しんでほしいもの、安全に触れる面白いものなど、届けたいものを準備すればOK。自然が好きなあなたにぜひ、こうした活動に関わっていただきたいと思いますし、また関係者の方々にはこうしたメンバーにお声掛けをいただければと思っています。



重い障害を持つ子どもたちと関わる上で

気をつけるべきこと

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(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)

依頼をいただいた際には関係者の方々に、子どもたちと接する上での注意すべきことを必ず確認してください。私たちは大きく3つの点について気を付けています。

一つ目は一般イベントにも通じることです。大きな声が苦手な子どもがいたり、後ろから触れられるのが好きでない子どもがいたり、個別の配慮が必要な場合もあります。子どもたちを不安にさせないよう、あらかじめ情報を得ておきましょう。また逆に「好きなこと」「嬉しいこと」も聞いておけるとプログラムを組み立てたり、組み替えたりしやすくなります。

二点目が持ち込むものの消毒です。私たちの活動では虫かご、昆虫観察カップはすべて洗浄、消毒をした上で持ちこんでいます。その上で虫は直接触れないようにしています。また植物の落し物は、できるものは洗浄、消毒をし、水洗いや消毒が難しいものは日光消毒などをするようにしたり、きれいに持ち込めるよう配慮しています。消毒(アルコール消毒など)は、落ち葉の匂いなどが飛んでしまったり、変色してしまう場合もありますので、事前に確認をしておくことをおすすめします。

三つ目が健常の子どもたちと同様に接するということ。知的障害の有無は専門家でない私たちにはわかりません。重症児の子どもたちの反応が薄いことはやむを得ないことですが、反応として表すことが難しいだけかもしれません。そのため、こちらの話す言葉は理解されていると考えて話しかけています。「ひまわりHAUS」での活動においては、参加者ひとりひとりにご家族や介助者がいて、個別にフォローをしてくださいます。しかもフォローするだけでなく、子どもたちと一緒になって(あるいは率先して)、驚いたり、声をあげてくださり、その反応がまた子どもたちへの刺激となり一緒に喜んでくれます。そこには常時、わかちあいがあり、まさにシェアリングネイチャーと言える時間となっています。


だれ一人取り残さない

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(Photo : NPO法人 ひまわり Project Team)

SDGs(持続可能な開発目標)は「だれ一人取り残さない」という考え方に基づいています。自然案内人である私たちネイチャーゲーム指導員が掲げてきた目標、「人が自然を尊重し共生していく社会」の創造と重なるものです。身近な自然の面白さや不思議を、あらゆる人たちが感じられる機会を作っていくことも、「だれ一人取り残さない」という考え方に通じています。この活動を通して、また一つ、私たちが作っていくべき社会の未来に向けて、出来ることを確認させていただきました。
ネイチャーゲーム指導員の方々はもちろん、多くの方に本活動が参考になれば幸いです。



参考
地域実践事例「重い障害をもった子どもたちへのシェアリングネイチャープログラム」(2013年)
ひまわり Project Team 重症心身障害児者の自立支援活動
ひまわりHAUS:20196-6:草木や生き物、初夏の自然を感じよう♪



07Fujita.jpg藤田航平 ふじた こうへい
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会
シェアリングネイチャー組織支援室

幼い頃、両親が関わる障害者支援の活動に参加。身近に障害を持つ方がいる環境で育ちました。その経験が今に生きていることに縁を感じています。

あっちゃん、いのっち、たかさん、よっしー、そして、ひまわりHAUSのみなさまに感謝。


雨の日こそ外あそび!

雨の日に子どもと野外へ出かける理由
  子どもは晴れでも雨でも外へでたがりますよね。生きものとして自然を直接感じ学んでいくための本能的欲求なのではないかと感じたりするのですが...かくゆう私自身も、子どもの頃、雨の中をびしょ濡れになって遊んでいた記憶があります。その中では、雨で濡れた洋服が体に張り付く感じや雨が髪の毛からしたたってきたり地肌を流れてくる感じ、グッチャグッチャたっぷたっぷと水を含んだ靴、ゴーっという川の音が周りの全ての音を飲み込んでいるようにしんとした大気の様子、草やアスファルトや土が濡れた匂い、雨が大好きな生きものや植物たちの姿...全感覚で感じていたさまざまな「雨の日」が鮮明に残っていて、今思えばまるで直感的に「雨」の性質や「自然」を理解していく作業だったように感じられるのです。
 晴れていれば、気にもとめないであろうただの道端のくぼみが、ちがうものへと姿を変える。まるで雨の日の魔法です。親になり、娘にもそんな楽しい雨の記憶を持ってほしくて、0歳の頃は抱っこひもで、歩き始めたらカッパを着せて外へ出かけるようになりました。
mei01.JPG(↑ツヤツヤ光る濡れた葉っぱに興味津々。当時1歳)

mei07.JPGmei08.JPG(↑雨がジュワジュワ〜と染み出てくる芝生。すぐさま寝転んで確認。当時4歳)

最初は単純にめずらしさから、きょろきょろ見回し、あちこち触ったりしていた娘でしたが、成長と共に、道にできた川をせき止めてみたり、水たまりに映った景色を不思議そうにのぞきこんだ後今度は上を見上げたり、大きな葉っぱに溜まった雨水を揺らしたり、突然濡れた草はらに寝転んだり(ネイチャーゲーム〈大地の窓〉をやると、地面に寝転んで空を見上げるのはもはや習慣化します^^;)...積極的に雨と戯れるようになりました。そして、雨の日には自ら「カッパ着て外行かない?」と私を誘ってくれるようになっていきました。

mei06.JPG 子どもと雨の日積極的に外へ出はじめた私が、意外で嬉しかったことは、実際に我が子を伴い歩く雨の道が自分の想像以上に楽しくて、子どもの顔をキラキラに輝かせてくれる特別な時間だと気づかされたことです。私はずっとそれを伝える立場だったし、知っていたはずなのに、想像をはるかに超えていた!娘と自然との関わりを通して、雨は自然じゃない場所も自然に変えてくれるんだと気づきました。そして、雨がつくり出す魔法は、晴れの日がきて辺りが乾いて元どおりになったとしても、娘の心にいちいちちゃんと鮮明に残っていて、いつもの道で、公園で、森で、話題に出てきては自然の姿をいきいきと感じさせてくれるし、娘はますます愛着を持った目線を自然に送るのです。


子どもが遊びを見つける瞬間
 何気ないいつもの道を進んでいくと、道沿いにはさまざまな自然があります。雑草1つにしても雨に濡れると違う様子になっていて、雨粒のつき方もちがいます。まずは雨粒をツン!と触ってみせると、すぐに嬉しそうに真似をしてツンツンしはじめます。葉っぱを引っ張ってピン!と放して雨粒を落としてみたり、紫陽花を「ぽわんぽわん」と言いながらやさしく手のひらで触ってみたりしながら進みます。コンクリートの坂道はすぐにそこここに小さな川ができるので、ちいさな両手を浸して流れていく雨水をただ見ている時間もあります。このときもものすごーく楽しそうなので、私もただ見守ります。

neu11.JPG しばらく歩いていると神社に差し掛かりました。入り口は緩やかな坂になっています。ここにも小さな川。娘は小石を拾って川の水に浸して遊び始めたと思うと 急に立ち上がり、ぱっと顔を輝かせて、坂の上手に駆け上がり、たったったと下手に向かって走り下りてきました。何度も繰り返します。「なにしてるの?」と 尋ねてみると、「川になったの!」と。そうです。娘は雨水の一員になって小さな川を流れて遊んでいるのです!あの時の娘の楽しそうな顔は今でも忘れられません。娘は小さな川に手を浸した感覚や、小石が流れる様子を見て、自分が流れてみようと思いついたのではないでしょうか。すごく名案ですよね(笑)
mei10.JPG(↑川になって何度も走りおりてきます。当時2歳)


子どもの目を通して見る自然の豊かな世界
 そう。子どもと雨の外あそびを楽しむために、特別なスキルは何もいりません。ただ、雨だからこその自然の変化に気づくには五感を普段から開いておく必要があるのも事実。つまり、「見る・聞く・嗅ぐ・さわる」といった感覚がオープンになっていれば、とても小さな変化に気づけるというわけです。これはネイチャーゲームをすれば簡単に身につけたり磨いたりすることができます。自分の中に根付いたこのシェアリングネイチャーの感覚を、東京に来て、さらには娘との何気ない日常を通して、私はますます実感するようになりました。
雨の日に限らずですが、出かけた先々で〈音いくつ〉をやりします。ルーペは常備しているので〈ミクロハイク〉をしたり、娘が気になった道端の草花をのぞいてみたりもします。〈フィールドビンゴ〉をやっていると、においにも敏感になり、いろんな自然のにおいに関心を持つようになります。自然に対して五感を研ぎ澄ませる感覚をそばにいる大人が持っていることで、子どもたちのただの道草は、素晴らしい自然体験の場に変わります。
 雨の日となると、服が汚れてしまうとか触ると汚いんじゃないかとか、とっさに考えて敬遠してしまうかもしれませんが...雨に限らず、汚すことなく思い切り自然と触れ合って遊ぶことはできません。我が子がちゃんと「どろんこ」になっているか確認するくらいの意気で(笑)、ぜひ雨の日の自然を一緒に楽しんでみてください。(上下カッパにフードまたは撥水性の帽子を着用させれば本人もママもごきげんです♪)
そして、子どもたちが見つけた自然や、感じたことはできるだけその場で共有して味わってください。子どもの行動からは片時も目が離せない私たちですが、彼らの目線を通して見る自然は、そのもの以上に壮大で色鮮やかで、ママ自身が深く自然に触れ合う極上の時間になっていきます。

mei09.JPG(↑大きなユリノキの下で雨宿り。おうちに見立てて熱心にストーリーを解説中。)




ai01.png水信亜衣 みずしな あい

公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会 スタッフ

10年前東京へやってきた時には、里山暮らしとのあまりに大きな自然ギャップに途方に暮れるも、シェアリングネイチャーの視点で徐々に東京ネイチャーの面白さを発見!!現在、2児のシェアリングネイチャー子育て中。6歳になった娘は、昨年生まれた弟に得意げに自然案内をしています(笑)


自然が好き!を資格に。(6/29〜30石川)

6月29日(土)〜30日(日)に石川県の白山青年の家にて、「ネイチャーゲームリーダー養成講座」が開催されました!

当日は警報レベルの大雨...!!(なんと3回続けてなのだとか...^^;)
大変なお天気でしたが、2日間の日程を思いきり楽しんだ参加者の皆さんの、この笑顔〜!

P6300428.JPG雨の楽しみ方も習得!ものすごーく充実した講座になったみたいですね!(皆さんの表情が物語ってます!!)
当日の様子は、石川県シェアリングネイチャー協会のFacebookページでも紹介されていますよ〜!
ぜひご覧くださいね(^^)

 石川県シェリングネイチャー協会のフェイスブックページ


講師の青山裕子さん、開催いただきました石川県シェアリングネイチャー協会のみなさま、ありがとうございました&おつかれさまでした!

そして参加者のみなさま、これから一緒にシェアリングネイチャーライフを楽しみましょう!




2019年度も自然と人との素敵な出会いの場を作っていきます!
ネイチャーゲームリーダー養成講座の開催情報はこちらから



ネイチャーゲームリーダーのご案内

ネイチャーゲームリーダー養成講座開催一覧


子ども(幼児・4歳)と雨の公園に出かけてみた

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雨が降る公園へ

雨が続く梅雨の休日に息子(4歳)に聞いてみました。

 カッパ着て、長靴履いて、公園行こうか?

連日の雨で外遊びができず、フラストレーションが溜まっていた息子は「行く!」と即答。目はキラッキラです。レインウェアを着て、長靴履いて、傘は持たずに近所の公園へ。

この後、発見の連続と少しの後悔が待っていました。

水たまりだらけの公園に到着

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連日の雨で公園は水浸し。土の地面には、いくつもの水たまりができています。降り続ける雨が桜の幹を伝って流れ、水たまりまで続く水の道を作っています。ブランコや回る遊具の近くには深い水たまりがあり、子ども用の低い長靴では水が入ってしまうかもしれません。「水に濡れた地面で滑らないかな」、「転んだらびしょびしょだな」、大人がそうした心配をしてしまう状況ですが、「いつもと違う公園」は子どもにとっては宝の山!すぐに駆けていってしまいました。

足跡がつくって楽しい!


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公園に着いてすぐ気づくのが地面の柔らかさ。少し高くなっていて水が溜まっていないところであっても、表面は柔らかくなっています。走ったところや歩いたところを見返して、自分の足跡が残っていくことに気づいた息子は、すり足で前進開始!

 お父さん電車!

凹んだ地面が茶色く濁っていき、見事な線路ができました。


どろんこ歩き

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線路の先で待っていたのが泥んこエリア。普段、子どもたちが自転車の練習をしたり、ボール遊びをしているところ。もともとあった地面の凹凸に水が溜まり、踏み込むたびに地面の様子が変わっていきます。長靴の息子は勢いのまま突入!グニャグニャと形を変えていく地面の様子に夢中です。泥んこの上で足踏みをしています。
踏みしめた足を持ち上げると少し乾いた土が顔をのぞかせました。その凹みに、時に早く、時にゆっくりと、周りから水が流れ込んできます。

 お父さん、見て見て!

と何度も何度も足跡をつけて、土と水の動きを楽しみました。


泥を落とす方法を発見!

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あっという間に長靴は泥だらけです。そして長靴の底には土が貼り付き、重たくなってしまいました。どろんこエリアから脱出した息子が向かった先は深い水たまり。せっかくの機会、ここにも入りたくなりますよね。そして水たまりに入ると、あっという間に泥が落ちました!

 すごーい!

と喜び、「泥は簡単に落とせる」と知った息子は再び泥んこエリアへ。
3往復となりました。


雨の公園は直接体験と発見のかたまりでした

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「自然を直接体験する」、ネイチャーゲームのポイントの一つとして出てくるキーワードです。30分、雨の中で息子が夢中になって遊んで、直接、見たり感じたりして発見できたことは例えばこんなことでした。

1)水を含むと土はやわらかくなる
2)水に土が混ざると濁る(土が拡散する)
3)水が濁ると水の通り道がよくわかるようになる
4)水は高いところから低いところに流れる
5)水に濡れた土は長靴の底に貼り付く
6)土は水ですぐに洗い流せる
7)雨の公園はほとんど人がいない
8)木の下はあまり雨が降っていない
9)虫は雨の水をはじくらしい


そして、


10)雨に濡れると寒くなる!



3番目の水の通り道は私にとっても新発見でした!


雨の公園遊びで気をつけたいと思ったこと

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おわりに雨の公園遊びをして気をつけたいと思ったことをお伝えします。安全面に配慮しながら、そしてご自宅がドロドロにならないよう気をつけながら、ぜひ雨の公園へ遊びにでかけてみてください!

●寒い!
夢中になって遊んでいると、一番心配なのが寒さです。バッチリ装備をしてきても、長靴に水が入ってしまいますし、降る雨が顔をうちます。汗をかくこともあります。すぐに着替えられるように準備しておいてたり、お風呂に入れるようにしておくことが大切ですね。この日は帰宅後、すぐに温かいシャワーを浴びました。

●地面が凸凹になってしまう!
雨の降り具合によりますが、地面があっという間に凸凹になってしまうかもしれません。凸凹のまま土が乾いてしまうと大変になってしまいます。そのため息子が足踏みをしている横で、できるだけ直しながら歩きました。子どもの足跡よりも、大人の足跡の方がくっきりついてしまうので要注意です。

●やみつきリピーター化する!
次の雨の週末。雨だね〜と息子に話すと「長靴で公園だね!」と嬉しそうな返事が来ました。目はキラッキラです。洗濯物が増えたり、長靴とカッパを乾かさないといけなかったり、お風呂の準備が必要だったりと、ちょっと大変なイベントとなりますが、準備をしておけば大丈夫。
雨の休日にしかできない遊びですから、ぜひお子さんを公園に誘ってみてください。

●遊具は危険かも!
遊具は滑りやすいので注意です!公園に行く前にあらかじめ「今日は遊具は使わず遊ぶよ」と話をしておいた方が良いでしょう。特に普段行ったことのない公園は、新しい遊具がとても魅力的で、つい遊びたくなってしまいます。通い慣れた公園をおすすめします。



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藤田航平 ふじた こうへい

公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会
シェアリングネイチャー組織支援室

ネイチャーゲームのポイントを活かしながら子どもと自然あそびを楽しむシェアリングネイチャーパパ。現在、シェアリングネイチャー協会のインスタグラムFacebookを担当。毎朝更新しています。「フォロー」、「いいね!」お待ちしています!









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