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変わらないものに心を動かされることはありませんか

「猫のしっぽ」と名付けてみた

この冬、毎日のように心を動かされる自然のものがあります。名前の分からない草です。近所の散歩道を登りきったあたりに2軒分ぐらいの空き地があります。そこに一面に生えています。そのふわふわした群れに、「おぉ!」と声を出しそうになるのです。朝日の逆光に映えていたり、薄暗さの中にモノクロフィルムのような懐かしさを醸し出したりしています。

朝の空気感が伝わりますか?

この変化の早い時代に、心が動くというとアクティブなものが想像されます。昨日とは違う新しいニュースに目を留め、話題にしがちです。新しいもの、珍しいもの、過激なもの、悲しいものが目に留まりやすいですよね。

しかし、変化するものばかりが心を動かすわけではないことを感じます。この草のように、そこにあることがわかっていても、毎朝「おぉ」と思うのはなぜでしょうね。思い起こすのは、まだ20代の頃、生まれ故郷の川を久しぶりに見て、「僕が世間に揉まれている間も、この川はずっと同じように滔々と流れているのか」という感慨を持ったことがあります。

考えてみると、自然も少しずつ変化はしているのでしょう。人間のような目まぐるしさでなくても、大きく、しかし確実に変わっていく自然がそこにあるのだと思います。その雄大さと、変わったら元に戻りそうにない儚さを同時に感じているのかもしれません。


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