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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチのシェアリングネイチャー No.152-142〈知恵比べ〉(2021.5.28)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-142

〈知恵比べ

ズッキーニの苗が虫に食われてボロボロになってしまった。同じ日に定植した苗だが、防虫ネットをかけなかった3本はご覧の通り。犯人は"ウリハムシ"、瓜葉虫と書く。キューリやカボチャ、ズッキーニなどウリ科の野菜を食い荒らす害虫だ。

去年は大量発生してカボチャが大被害を受けた。コンパニオンプランツのネギやニラを近くに植えたり、嫌がるという光り物テープやCDを吊り下げたりしたが、ほとんど効果はなかった。虫取り網で捕ってはみるが、捕っても捕っても湧いて出る感じで一向に減らない。ついに根負けしてしまい、カボチャの収穫は例年の三分の一程度になってしまった。完敗!

今年こそリベンジ、苗が若いうちに防虫ネットで囲い外からの侵入を防ぐ。もう一つ"あんどん仕立て"といって、ビニル袋で囲ってしまう方法がある。風よけや保温にもなって一石三鳥だ。上部が開いているので入られてしまうかと心配だったが、なぜか今のところは被害な し。袋からはみ出るぐらいまで大きくなれば外しても大丈夫だ。飛び道具(農薬)は使わずに知恵で勝負!今年はうまくいきそうだ。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.28 NO152-142  知恵比べ.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-141〈旅立ちの時〉(2021.5.27)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-141

〈旅立ちの時

池のオタマジャクシに手足が出て、いよいよ旅立ちの時を迎えた。春先、おびただしい数のヒキガエルの卵がやがてオタマジャクシになり、池を真っ黒にしてゆらゆら泳ぎ回っていた。

その間メダカやヤゴに食べられて激減してしまうが、生き残ったオタマジャクシは3ケ月くらいでカエルになる。そして雨の日を狙って上陸するのだ。今日は久しぶりの雨、気が付けば足元に7~8㎜程度の赤ちゃんガエルがうじゃうじゃ歩き回っていた。黒くて小さいからそれとは気づかず、踏んづけてしまうこともある。鳥やヘビに見つかったり、野良猫に弄ばれたりしてしまうものもいる。天敵から無事に逃げて大人になれるのはほんの数匹だけ、ほとんどが食べられて他の命になってしまう。そうやって自然界の生き物は繋がり合ってそれぞれの種を守っている。

生き残った赤ちゃんガエルも、虫を食べながら少しずつ大人になっていく。ガンバレ、赤ちゃんガエル!

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.27 NO152-141  旅立ちの時.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-140〈こもれびの森〉(2021.5.26)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-140

〈こもれびの森

久しぶりに"こもれびの森"を歩いた。

20年ほど前、この近くの小学校に勤務していた際、子ども達を連れてよく遊びに来た(いや、お勉強に来た)。この森も他と同じくナラ枯れが広がっておりあちこちで伐採されたあとが痛々しい。それでもこもれびが差し込む森は気持ちよく、ただ歩いているだけで心も体も満たされる。森の時間に合わせてのんび り歩くと生き物たちや花が目に入るようになる。この森があるから生きていられる花や虫たち、今日もヘルメットをかぶったボランティアの方が森の整備をしていたが、人の手によって守られている森であることをつくづく感じる。森の豊かさはそのまま人の暮らしの豊かさに直結することを、この森を歩き、五感で感じると分かってくる。ボランティアの方に感謝するとともに、これからもこの森を訪れ見守っていきたいと思う。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.26 NO152-140  こもれびの森.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-139〈桑の実〉(2021.5.25)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-139

〈桑の実〉

散歩コースに"桑の実ロード"がある。勝手に命名したコースだ。毎年この時期になるとコース上に何本もある桑の木に美味しい実が生るのでこう呼ぶことにしている。触ってポロっと落ちるのが完熟していて美味しい。子どもの頃食べたことがあるが、たまたま未熟なものを食べたせいか、自分の中では"まずい"という印象しかなかった。大人になって、真っ黒に完熟した実を恐る恐る食べたらこれが実にうまい!。以来、桑の実ファンになって、毎年この時期になると指や舌をムラサキに染めながら食べ歩きをしている。

今年は手ごろな場所に大きな実のなる木があったのでたくさん採ってジャムにした。量ってみたら1kg弱。面倒なのでヘタは取らずにそのまま煮込む。小さい粒々のタネが気になるが、大した問題ではない。鳥が運んで勝手に生えた桑の木は、放っておくとどんどん大きくなる。根が深いので、小さな木でも抜くのが大変だ。あちこちに生えた桑から毎年大量の実が生り、それを鳥が食べてまたタネを蒔く。養蚕をしていた頃はきちんと管理されていた桑がこうしてあちこちにはびこってしまった。野に解き放たれた桑の木、果たしてどこまで勢力図を広げていくのだろう。厄介者にならなければいいのだが・・・・。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.25 NO152-139 桑の実.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-137〈オオルリシジミ〉(2021.5.23)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-137

〈オオルリシジミ〉

国営アルプス安曇野公園で"キバネツノトンボ"を探していたら、カメラを持った人が数人何やら狙っていた。カメラの先を見てみると、瑠璃色のきれいなチョウがいた。聞いてみると"オオルリシジミ"とのこと。観察会もやっていて、資料を持ったボランティアらしき人が数人のお客さんに説明していた。離れていたので話の内容は聞き取れなかったが、どうやら保護活動の内容を説明しているようだった。帰ってから詳しく調べてみたら、クララの葉を食草としているチョウで、現在は長野県の一部と阿蘇にしか生息していない絶滅危惧種、非常に希少なシジミチョウの仲間ということだった。

クララは牛が食べないため牧草地に残り、オオルリシジミが繁殖できる。が、畜産農家の減少や自然災害などで牧草地が荒れ、クララそのものが少なくなり、チョウも減少していくという道筋を各地でたどって行ったようだ。そんな中、ここ安曇野地区では市民ボランティアによるクララの植栽事業が功を奏してか、オオルリシジミが増加傾向にあるという。人間だけが生き残ればいいのではなく、こうした物言わぬ小さな隣人の存在に気づくことで改めて自分自身の生活様式の在り方を問うてみる。そんな考えるきっかけをこのチョウが与えてくれているのかもしれない。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.23 NO152-137 オオルリシジミ.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-138〈自家製麦茶〉(2021.5.24)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-138

〈自家製麦茶〉

去年の11月下旬に蒔いた大麦が収穫時期を迎えた。小麦はまだ青いがここまでくればもういいだろうと、少し採ってみた。細い禾が付いているが比較的簡単に取れて手間がかからなかった。何度か風で殻を飛ばしてスプーン5杯分くらいの量になった。例年、小麦を育てているがあくまで観賞用だった。せっかく作るなら口に入るものにしようと、今回は大麦も育て、"麦茶"に挑戦する算段だった。ようやくその日が来たというわけだ。家に持ち帰り水洗いした後、水気をふき取って早速フライパンで煎った。すぐに香ばしい香りがして期待を膨らませる。やがて、ポップコーンのように"パチパチ"とはぜる音がし、油断していたら何粒か外へ飛び出した。慌てて蓋をして10分ほど煎り続けた。はぜたものをつまんで食べてみると、少し甘みがあってなかなか旨い。さらに期待値が上がる。

煎った後は冷めるまで待って今度は煮だす。麦の量も適当、煎る時間も適当、水の量、煮出す時間も適当、そんないい加減なやり方で果たして麦茶になるのか???。答えはすぐに出た。茶こしに注いだ瞬間、何ともいえない香ばしくまろやかな香りが漂いすぐに一口飲む。予想をはるかに超えて思わず"旨い!"と叫ぶ。太陽を始め、自然の恵みを体内に取り込んだ麦の成分を抽出するわけだから、旨いはずだ。100%混じりっけなしの麦本来の味、今年の夏は美味しい麦茶が飲めそうだ。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.24 NO152-138 自家製麦茶.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-136〈なんじゃこりゃ?〉(2021.5.22)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-136

〈なんじゃこりゃ?〉

安曇野で不思議な不思議な虫を見つけた。そいつは道路の真ん中にいて、どうやらまだ生きている。見たこともないし何の仲間かも判別できない。最初は"ガ"の仲間かと思った。だが、前翅はトンボにそっくり。後翅は黄色と黒のまだら模様で前翅との一貫性がない。長く伸びた触覚はガのようにも見えるし、顔はハチやアブの仲間のようにも見える。前翅だけを見れば間違いなくトンボなのだが・・・。脱皮に失敗したトンボがこんな形や色になったのか???。謎は深まるばかりだ。持っていた図鑑で調べたら、"キバネツノトンボ"によく似ている。しかも、多くの地域で絶滅危惧類に指定されている希少種らしい。トンボと名は付くが、カゲロウの仲間とあった。どうやらちゃんと名前のある虫のようだ。ヨロヨロしていたのでとりあえず車に轢かれないよう道路わきの草むらに置いた。

その後、アルプス安曇野公園に行った際、目の前をス~っと飛んでいく黄色い物体を見た。トンボのように軽やかに飛んでいたがすぐにこのキバネツノトンボと分かった。このあたりにいるかもしれないと、池に面した草むらを見たら、"いたいた!"。間違いなく"キバネツノトンボ"だ。しかも2頭も!。あんな翅で素早く飛ぶことに驚いたし、絶滅危惧に指定されている種がこんなにすぐに見つかることにもっと驚いた。神奈川では絶滅危惧類に指定されているので、県内で見つけることはかなり難しいだろう。かつては全国にいたであろうキバネツノトンボ、せめてこの地だけでも生き延びて欲しい。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.22 NO152-136 なんじゃこりゃ?.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-135〈白い妖精〉(2021.5.20)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-135

〈白い妖精〉

ヤマボウシが咲き出した。勝手に"白い妖精"と名付けている。例年より少し早い気がする。まだ咲き始めたばかりなので汚れのない白はとてもきれいだ。遠くから見ると淡雪をかぶったようで、公園にある数十本のヤマボウシの木は季節外れの雪に覆われたよう。花のように見える白い部分は総苞で葉っぱが変化したもの。ハナミズキなどと同じだ。

ヤマボウシは花もいいが、秋に熟する実も美味しい。薄くピンク色に染まった実はマンゴーのような食感でとても甘い。熟して落ちたものは食べ頃で拾って食べる。少しじゃりじゃり感が残るが、甘さが勝ってもう一つ食べたくなる。山ではサルやクマのごちそうになるらしい。山帽子かと思ったら山法師だった。まん中の丸いのが僧侶の頭で、周りの白い総苞が頭巾、延暦寺の「山法師」が名前の由来ということだ。坊さんがたくさん集まった姿より、帽子を被った貴婦人の方がイメージとしてはいいのだが・・・・。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.20 NO152-135 白い妖精.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-132〈チョウとの遭遇〉(2021.5.17)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-132

〈チョウとの遭遇〉

恐らく今までだったら見向きもしなかったチョウに目が向いた。散歩中に偶然見つけたチョウだ。パッと見は地味なチョウだが、写真を撮ろうと近づくとはっきりとした黒い丸(蛇の目)が見える。繊細な波模様は着物の柄にでもなりそうで、しっとりとした大人の雰囲気を醸し出している。さしずめ銀鼠色といったところか。葉っぱに止まると翅を開いた。これまた見事な蛇の目!ヘビの目をして外敵から身を守る工夫だろうか?飛び去る前に早速シャッターを押した。これまでだったらここで終わりなのだが、どうしても名前を知りたくなったので帰宅後すぐに図鑑を開いた。"ヒメウラナミジャノメ"が一番写真と近い。気になるのは、写真の方が図鑑より小さい蛇の目が多い。個体差なのか近縁種なのか?ここから先は分からない。

この後、すぐにまた別のチョウが見つかった。オレンジ色が視界に入り、すぐに近くの枝にとまった。そ~っと近づいてカメラを向ける。翅は黄色に黒い模様が入ったヒョウ柄で飛んでいても良く目立つ。風が強かったせいかすぐ近くの枝にとまった。翅は開かないチョウのようだ。調べた名前は、ウラナミアカシジミ。突起がある方が前かと思ったら、逆だった。チョウの判別は数種類しか分からないが、この2種が新たに加わったことで俄然チョウの世界が広がった感がある。知れば知るほど世界が開けてくる。新しい世界を知ることで知らない自分を知ることになる。それが嬉しい。

▶PDF版をダウンロードする 2021.5.17 NO152-132 チョウとの遭遇.pdf

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