スタッフブログ
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-107〈生命の流れ〉(2021.4.19)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-107
〈生命の流れ〉
ついこの前まで褐色に覆われていた森が新緑で萌え始め、一気に緑に染まってきた。生まれたての頼りない葉はフニャフニャと体をよじらせながら風に弄ばれているかのよう。日光を浴びて、初めて"光合成"にチャレンジする若葉にそっと息を吹きかけてみる。そして代わりに若葉から放出された出来立てホヤホヤの空気(酸素)をいただく。何度か繰り返し、空気のやり取りをする。見えない空気で若葉の生命と繋がっているのを感じる。
「 森が息を吐くとき私は息を吸い込む
私が息を吐くとき 森は息を吸い込む
私たちは、与えることで受け取り
私たちは、受け取ることで与える 」
メリッサ・クリーグ
森にあふれる緑は、"生命"そのもの。緑を見ると落ちついたり安心したりするのは緑の中に自分と同じ生命を感じるからだろうか。
"生命の流れ"の中に私もいる。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.19 NO152-107 生命の流れ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-106〈オオミズアオ〉(2021.4.18)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-106
〈オオミズアオ〉
それは突然のことだった。畑であれこれ作業をしていて四方に目を動かしていた時、急に飛び込んできた。そして瞬時に「オオミズアオ」と分かった。それほど存在感のある蛾で、見た瞬間に分かるのだ。クリの木の下、立てかけておいた端材にしがみついていた。昨日は気づかなかったのでひょっとしたら今日羽化したのかもしれない。が、脱いだ殻は見つからない。幼虫のエサとなりそうなコナラ、クリ、プルーン、リンゴの木があるので、この畑の出身かもしれない。となると幼虫がいたはずなのだがそれにも気づかないまま冬を迎えてしまったのだ。自分の畑なのに、毎日来ている畑なのに見てない部分、気づけてない部分がまだまだ山ほどある。観察眼が足りないということか。
この蛾は夜美しい翅を広げて飛ぶ姿からヨーロッパでは"月の使者"とか"月の女神"とか呼ばれているらしい。羽化しても口が退化していて何も食べられず、1週間しか生きられない短命の蛾。その間に交尾相手を見つけ産卵までこぎつけなければならない。月の使者とか月の女神とかそんな優雅な名前とは裏腹に、厳しい現実が待ち受けているのだ。夏の夜見かけることはあるが、こんな時期に畑で見たのは初めてだ。限られた命の中で次の命を残す、ただそのためにだけ食べ物も取らずこうして優美な姿で出逢いを待つ。たった1週間の命にここまで着飾るオオミズアオ。短くも美しく散っていくその生き様はなんと潔いことか。とうていマネできるものではない。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.18 NO152-106 オオミズアオ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-104〈大きくな~れ〉(2021.4.16)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-104
〈大きくな~れ〉
3月31日に蒔いたサンチュの苗をポリポットに移植した。同じ日に蒔いたのに生長具合に大分差がある。サンチュは虫もたからず作りやすい野菜なので重宝している。本葉が2~3枚出た苗は柔らかい萌黄色で生まれたての葉がとっても瑞々しい。タネを蒔いてから半月、自分の力でどんどん大きくなっている。ほんの2,3ミリの小さなタネから芽を出し、半月でこんなに大きくなっている。生長の速さに目を見張るばかりだ。
ポリポットに植え替えた苗は70鉢になった。ここでしばらく育ててさらに定植する。天候にもよるが来月下旬頃には食べられるのではないかと期待している。焼き肉に巻いたりスープにしたり油で炒めたりと用途はいろいろある。収穫時期が楽しみだ。
タネを蒔いた植木鉢の土を捨てたら中からオケラが出てきた。普段は地中にいるのでなかなかお目にかかれないお客さん。夏、足元で"ビーーー"と大声で鳴くあいつだ。見つけてもすぐに土の中に潜ってしまうのでなかなか写真に撮れなかったが、今日はじっとしていた。
野菜も生き物も命輝かせる季節、溢れる自然に囲まれ今日も元気に農作業!
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.16 NO152-104 大きくな~れ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-103〈畑に池〉(2021.4.14)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-103
〈畑に池〉
畑に池を作った。池と言っても、一辺が60cmほどの小さな水たまりだ。深さ30cmほどの穴を掘りビニルシートを敷いただけのもの。ヒメリンゴの木の下に作ったので夏は日影になるはずだ。水は雨水をためたタンクから供給する。バケツで 10 杯ほど入れたのでそう簡単にはなくならないはず。雨が降ればすぐにまたいっぱいになるので、放っておいても補給の心配はない。
イノッチファームは農薬を使わないし、草もいっぱい生えているので虫がたくさんやってくる。鳥やネズミ、モグラ、カエル、ヘ ビもやってくるので生き物にとっては過ごしやすい場所になっているのかもしれない。さて、そんな畑に水場を作ったらどう かと思い、去年から構想を練っていた。初めはきっちりした池を作ろうと思っていたが、解体が大変なので簡易版にした。これ なら作るのも撤去も簡単だ。
水を張り、ボウフラ除けにメダカと川エビを入れた。この池にどんな生き物がやってくるか楽しみだ。
予想1鳥が水飲みに来る。
予想2アライグマやハクビ
シンが水飲みに来る。
予想3トンボが卵を産む。
予想4カエルが卵を産む。
予想5ボウフラが湧く
予想6カラスが行水する。
予想7ムシが溺れる。
予想8孫の遊び場になる。
いずれにしても、何か新しいドラマが始まる予感がする。楽しみ楽しみ・・・。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.14 NO152-103 畑に池.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-102〈タケノコの思い出〉(2021.4.13)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-102
〈タケノコの思い出〉
従妹から大ぶりのタケノコを2つい頂いた。子どもの頃は家の裏に竹藪があったので家で食べる分は十分賄えたが、今は頂き物で旬の味を楽しんでいる。孫にも声をかけ一緒に皮をむき丸裸にしていく。むいてもむいてもなかなかてっぺんの皮までたどり着けない。一節ごとに皮があるので、むいた皮はかなりの量になる。
この皮を見てふと子どもの頃の記憶が甦った。昭和30年代前半、子どもの頃のおやつはサツマイモやジャガイモだったが、この季節だけはタケノコがおやつ代わりのお供だった。むいた皮に梅干しとシソの葉を入れ、三角形に折る。しばらくするとしんなりしてくるのでチュウーチュー吸うのだ。
家にいる時も遊びに出かける時もポケットに入れ、思い出してはチューチュー吸う。腹の足しにはならないが、酸っぱい梅干しと塩分はタケノコの皮で程よく中和され空腹を紛らわせてくれる。高度経済成長期とは言え子どものおやつ(しかも田舎の貧乏百姓)はこんなものだったのだ。
「よし、やってみよう!」と60年ぶりに作ってみる。一晩おいたせいか皮は柔らかくなって口当たりがいい。しょっぱい梅の味が口の中に広がりあの頃の映像がモノクロ写真でゆっくり映し出されていく。貧しかったが豊かな少年時代だった。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.13 NO152-102 タケノコの思い出.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-100〈里山散歩〉(2021.4.11)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-100
〈里山散歩〉
愛川にある"八菅山"周辺の里山歩きをした。生まれたての若葉が陽光を浴びてキラキラ輝いている。山は何十何百という緑、みどり、ミドリであふれかえり新緑の海に溺れそうだ。
何年か振りに歩く里山、春の花があちこちに咲いていてウキウキしてしまう。今回は"ウラシマソウ"と"オドリコソウ"に会えてチョット嬉しい。引き出しにしまっておいてそのまま忘れてしまった"お宝"に再会した、そんな嬉しさだ。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.11 NO152-100 里山散歩.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-101〈旅立ちの時〉(2021.4.12)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-101
〈旅立ちの時〉
タンポポの綿毛が今まさに旅立とうとしている。どこに向かうか、どこに落ちるか風任 せ運任せ。条件が揃っていれば発芽して新天地で仲間を増やせるが、そうでなければそこで終わり。1本の茎から何十何百のタネが綿毛の落下傘に運ばれて旅をする。
工藤直子さんの「のはらうたⅢ」の なかにこんな詩があった。
ねがいごと たんぽぽはるか
あいたくて あいたくて あいたくて あいたくて・・・
きょうも わたげを とばします
誰かに、何かに会いたくて綿毛を飛ばす"たんぽぽはるか"さん。ねがいごとが叶うかどうかは風次第。それでも一つ一つの綿毛に会いたい願いを託して飛ばし続ける。
自分もふーっと息を吹きかけて綿毛を飛ばしてみた。会いたい人に会えるように・・・。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.12 NO152-101 旅立ちの時.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-99〈麦の穂〉(2021.4.10)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-99
〈麦の穂〉
麦の穂が出始めた。例年よりかなり早い気がする。ここ何年か、"観賞用"に作付けしている。子どもの頃、麦畑で遊んだ記憶が懐かしく、毎年タネを蒔いている。
冬場、何度も麦踏みをすると強く丈夫な麦になる。あと1か月もすれば黄金色の穂が風に揺れているはずだ。青空に向かって背比べするようにツンと伸びた穂、高くなるほど強風を受けるがそれでも上に伸びようとする力は麦の生命力そのもの。一粒一粒のタネに宿る力はそのまま人のエネルギーに変換される。
麦は人類史上最古の作物であり麦と共に人は歩んできた。そんな麦への愛着が体のどこかに残っているのかもしれない。今年は六条大麦を蒔いたので、麦茶にして飲んでみようと思う。メソポタミア文明を想像しながら。
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.10 NO152-99 麦の穂.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-98〈珍客現る〉(2021.4.9)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-98
〈珍客現る〉
畑に珍客が現れた。アマガエルだ。
ヘメロカリスの葉の上に置物のようにチョコンと座っていた。緑の葉の上にカモフラージュしているつもりだろうが、何か"異質感"があって、すぐに見つかった。
時々鳴き声を聞くのだが姿を現したのは今年初めてだ。ここの畑は台地上にあって水場はない。だからカエルはいないと思い込んでいたのだが、毎年このお客さんが現れる。もはや珍客ではなく常連さんといったところか。
川や池がなくとも、水たまりでも産卵するということなので、どこかに雨水の溜まり場があるのかもしれない。或いは、水やり用に古い浴槽に雨水をためている農家さんがいるが、ひょっとしたらそんな風呂桶で生まれたカエルかもしれない。「風呂桶生まれのアマガエル、旅に出る」なんて絵本ができたら楽しい。
カメラを近づけてもじっとしているので、好き勝手に撮らせてもらった。正面からパチリ、なかなか凛々しい顔をしている。横からパチリ、"なに見てんだよ!"とチョイと迷惑そうな顔。そして最後はお尻からパチリ。
この鮮やかな黄緑色は周りの環境で変わるらしいがまだ見たことはない。個体差も大きいということなのでなかなかお目にかかれないのかもしれない。
忍者アマガエル、ぜひ見てみたい!
▶PDF版をダウンロードする 2021.4.9 NO152-98 珍客現る.pdf
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