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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチのシェアリングネイチャー No.152-98〈珍客現る〉(2021.4.9)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-98

〈珍客現る〉

畑に珍客が現れた。アマガエルだ。
ヘメロカリスの葉の上に置物のようにチョコンと座っていた。
緑の葉の上にカモフラージュしているつもりだろうが、何か"異質感"があって、すぐに見つかった。

時々鳴き声を聞くのだが姿を現したのは今年初めてだ。ここの畑は台地上にあって水場はない。だからカエルはいないと思い込んでいたのだが、毎年このお客さんが現れる。もはや珍客ではなく常連さんといったところか。

川や池がなくとも、水たまりでも産卵するということなので、どこかに雨水の溜まり場があるのかもしれない。或いは、水やり用に古い浴槽に雨水をためている農家さんがいるが、ひょっとしたらそんな風呂桶で生まれたカエルかもしれない。「風呂桶生まれのアマガエル、旅に出る」なんて絵本ができたら楽しい。

カメラを近づけてもじっとしているので、好き勝手に撮らせてもらった。正面からパチリ、なかなか凛々しい顔をしている。横からパチリ、"なに見てんだよ!"とチョイと迷惑そうな顔。そして最後はお尻からパチリ。

この鮮やかな黄緑色は周りの環境で変わるらしいがまだ見たことはない。個体差も大きいということなのでなかなかお目にかかれないのかもしれない。

忍者アマガエル、ぜひ見てみたい!

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.9 NO152-98 珍客現る.pdf 

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-97〈カラスの行水〉(2021.4.8)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-97

2021.4.8〈カラスの行水〉

高尾山の帰り、蛇滝から梅林方面に下り小仏川沿いの道を歩く。それまでほとんど見られなかったイチリンソウがところどころで咲いていた。ニリンソウは群生しているがイチリンソウは決して群れない。清楚な白花は日影に一人でひっそりと咲くのがお似合いだ。

小仏川を下っていくと水たまりにカラスが下り立ち、行水を始めた。面白そうなのでしばらく観察することにした。水場までトコトコと歩き丁度いい深さのところで頭から潜る。 バシャバシャと結構派手に羽を振るわせて"カラスの行水"が始まる。すぐに終わるだろうと見ていると10秒足らずで終了。一旦風呂から上がって羽づくろいをした後また入る。これを3回繰り返していた。

"カラスの行水"はろくに洗いもしないであっと言う間に風呂から出てしまう例えに使われるが、短い時間とは言え3回も繰り返し入っているのを見ると、案外きれい好きなのかもしれない。この例えはカラスに失礼、孫たちに使うのはやめておこう。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.8 NO152-97 カラスの行水.pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-96〈高尾山で"森の美術館"〉(2021.4.7)

イノッチのシェアリングネイチャー NO152-96

2021.4.7 〈高尾山で"森の美術館"〉

高尾山でネイチャーゲームの〈森の美術館〉をやってみた。開通したばかりの6号路をノンビリ歩きながら、何かピピッとときめいたものがあったらフレームを置きしばし観賞する。写真を撮ったらまた次の"ピピッ"を探す。ピピッが次々にあってなかなか先に進まない。

この時期はいろんな花があって目移りしてしまうが、ときめかせるのは花ばかりではない。黄色い山吹の花弁がシャガの葉に落ちていたり、桜の花びらが川面に浮かんでいたりと、ステキなものがいくらでもあり、山頂までは通常の2倍以上の時間がかかってしまった。

こんなにじっくり周りの自然を見ながら高尾山に登ったのは初めて。心静かに周りを見渡せば、"良きもの"は向こうからやってくるのだ。

All good things come from stillness (Joseph Cornell) 慌てず急がずゆっくり歩こう!

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.7 NO152-96 高尾山で"森の美術館".pdf

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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-95〈春は超特急〉(2021.4.5)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-95

〈春は超特急

庭に白い花が咲いているのに気づいた。「えっ、もう咲いてるの?」と近づいてみると予想通り"シロヤマブキ"だった。例年はもっと遅かったような気がするが、気づいたらこの有り様、足元の花にも気づかなかった。たった、3,4日見なかっただけなのに、もうこんなに咲いている。写真には撮らなかったがハナミズキも咲いていた。ほかにもミヤコワスレやイカリソウも咲いていて、すっかり春の花電車に乗り遅れてしまった。

タラの木はもうこんなに大きく葉を広げ、食べごろを逸してしまった。まだ新芽があるのでそれを摘んで天ぷらにしたが、油断してたらそれすら逃してしまう。春の花電車はウカウカしているとあっと言う間に乗り遅れる。途中下車してノンビリお茶していると、発車ベルも鳴らさずドアーが閉まりそのままピューッ。とは言え、毎日庭に出るのに気づかない方が悪い。まずはその錆びついたアンテナの錆落としから始めるとしよう。超特急に追いつく動体視力養成訓練!

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.5 NO152-95 春は超特急!.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-94〈見ているのに見えてない!〉(2021.4.4)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-94

〈見ているのに見えてない!

毎月第1日曜日はあきる野にある"横沢入り"の自然観察会の日。雨予報だったがなんとか降らずに持ちこたえた。毎回いろんな発見があってとっても楽しい観察会、いつもワクワクしながら参加している。今回の収穫は、何と言ってもアオキの雌雄株の見分け方を知ったこと。アオキそのものは知っていたし、あの赤い実はそれこそ目立ちすぎるほど目立つ。山に行けばどこにでも生えている木だ。ところが、今までそのアオキが雌雄異株であることを知らなかった。株が違うので花も違うのだがその違いが分からなかった。

「ほら、全然違うでしょ、見ればすぐ分かるわよ」と、詳しいKさんが教えてくれるのだが、見ても分からない。「えっ、どこが違うの?」「ほら、雌花は中心に1つ、雄花は4つ点があるでしょ」。なるほど、見ればすぐ分かるのだ。周りの茶色っぽいガクにばかりに目がいき、中心部を見ていなかった。虫メガネレベルでの判別なら言い訳もできるがこんなに大きくハッキリ見えるのに違いが分からなかった。"どこに目ぇつけてやんで"とどなられそうだが、実際その通りだった。今日また己の浅はかさを知ることとなった が、それは恥でもなんでもなく、新しい扉を開ける鍵を手に入れたようで心地よかった。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.4 NO152-94 見ているのに見えてない!.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-93〈桃と桜の花〉(2021.4.3)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-93

〈桃と桜の花

去年たまたま「勝沼ぶどう郷駅」で見事な桜並木に出会ったので、今年も見に行った。同じ時期なのに今年はもう遅くて、桜吹雪が舞っていた。他にないかとあちこち歩いていると、"勝沼氏館跡"にちょうど見ごろを迎えている桜があった。ソメイヨシノよりも濃い色で、花曇りの空にも映える。勝沼ぶどう郷駅にはたくさんの観光客がいたがここには誰もいなくて、ゆっくりと花見ができた。いつものことだが目的地を決めず適当に行った場所に思いがけず"宝物"があることがよくある。今回もその類で独りほくそ笑む。"犬も歩けば棒に当たる"。歩けば何かに出会えるのだ。

今回、もう一つの目的は"桃の花"。笹子トンネルを抜けて勝沼に入る頃、高速道路の両脇からピンク色の桃の花が目に飛び込んでくる。桜と違って色が濃いので遠くからでもすぐに分かる。一般道に下りて桃畑を探す。観光案内に載っているような桃の名所は人が多いので、適当に車を走らせ、気に入った桃畑で写真を撮る。やはり時期が少し遅かったようで、すでに葉が出始めているところもあった。毎年、満開になる時期が違うので農家の方もスケジュール調整が大変だろう。

山梨はフルーツ王国と呼ばれ、ブドウや桃の栽培が盛んだ。盆地なので昼夜の気温差が大きく、加えて日 照時間が長く降水量も少ない。美味しい果物栽培には好適地なのだ。桃畑では摘花作業や受粉作業をして いる農家がいたが、美味しい桃は自然環境だけではできない。手をかけ愛情をかけてやっと甘い果汁タップリの桃ができる。夏、たわわに実った美味しい桃を食べに行こう。

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.3 NO152-93 花の命は短くて.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-92〈カリンの花〉(2021.4.1)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-92

〈カリンの花

畑の前の道路にカリンの木があり、花が咲き始めた。500mくらいにわたって道路の両サイドに植えてあり濃いピンクの花が目を惹く。この時期は桜の開花と重なり、世間の話題は桜一色だが、どっこいカリンの花も負けてはいない。桜よりも二回りほど大きく、しかも鮮やかな桃色はなかなか見ごたえがある。花の数そのものが少ないのでパッと見は桜に劣るが、一つ一つの花は絶対的な存在感がある。たった一花でも十分観賞に値する美しさだ。

秋には黄色い実をつけその甘い芳香はカリン酒となってもう一度酔わせてくれる。虫の食べ跡だろうか、カリンの木はあちこち穴が開いていて特徴的な木肌をしている。樹皮がはがれやすく、パズルのピースをはめたくなる。

カリンのタネは発芽率が良く、秋に蒔いておけば翌春ほとんど芽を出す。一度畑で育てたことがあるが、葉に虫がつきやすくあっと言う間に丸坊主にされてしまった。あとは枯れるだけの運命。リンゴやモモと同じバラ科なので、虫の大好物なのかもしれない。

実は渋みがあってなかなかそのままでは食べられないが、果肉を使わずにジャムができるらしい。香りだけで満足せず、是非ジャムにしてその芳香を味わってみたいと思う。秋が楽しみだ!

▶PDF版をダウンロードする 2021.4.1 NO152-92 カリンの花.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-92〈はだしで泥団子〉(2021.3.31)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-92

〈はだしで泥団子

春休みに入り暇を持て余した孫たち 4 人が庭で楽しそうに遊んでいる。何をしているのかとのぞいて みると、泥団子作りだ。車庫にある砂と、庭の土をミックスしての団子作りに興じている。今までも何度も作ったことがあるので要領は得ている。適度な 水分を含んだ土と乾いた砂のバランスが決め手になる。車庫と庭を行ったり来たりしながら、鼻歌交じりに団子を作っている。

もうすぐ 2 歳になるSち んも、みんなと一緒に団子作りに参加。丸くするの はとても無理だがどろんこ遊びは大好きで手も足も どろどろになりながら楽しんでいる。暖かい日だったのでみんな裸足だ。孫たちに言わせると、水分たっぷりのベチョベチョの土に乾いた砂をかけると団 子になりやすいとのこと。これを何度も繰り返すと 少しずつ団子が丸く大きくなっていく。あとは、乾くのを待つだけ。

今回は簡易泥団子だ。"ピカピカ 団子にしないの?"と聞くと、"ピカピカ団子にするには土から変えないと作れないもん"とのたまう。もういっぱしの泥ダンゴ名人だ。

素手で,裸足で土に触れることで彼らは様々な刺激 を受けているはずだ。

ヌルヌルとかベチョベチョとか いう言葉は触って初めてその感触と言葉とが結び付 く。2 年生のYちゃんは、ヌルヌルではなく、"ニュルニュル"と表現していた。彼女の中では微妙に違っていて、その違いが実感として分かるのだ。知り合いの石垣島の子ども達はマングローブの林をいつも裸足で走り回り、素手で魚を捕っていた。きっと都会の子 達には分からない感触の宝箱をいっぱい身に着けてい るに違いない。

よし、明日は畑で裸足になろう!

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.31 NO152-91 はだしで泥団子.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-90〈だから出会えた〉(2021.3.30)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-90

〈だから出会えた

山梨百名山の源氏山に登ろうとしたら、林道が通行止めになっていた。4年前の台風で崩落個所があり、未だに復旧できないままになっていた。ならばと、同じ百名山の八絋嶺に変更したらこちらも大きく迂回しなくてはならず、断念。車を本栖湖方面に走らせて竜ヶ岳に登ることにした。

登山道はまだ冬景色のままで、木々の芽も硬く閉ざされたまま。桜も蕾がやっと膨らんできた程度。そんな冬枯れの山道を歩いていると、斜面に白い花が忽然と現れた。近寄ってみると、"キクザキイチゲ"か?葉がやけに細いのが気になるが・・・。茶色一色の風景の中にたった一輪の白い花はとても目立つ。予定していた山に登れなくてがっかりしていたが、おかげでこんなにもステキな花に出会うことができた。下山道では、斑入りの白いスミレを見つけた。調べてみたら"フイリフモトスミレ"らしい。予定していた山に登っていたら会えなかった花たち。そう思うと、林道の通行止めはこれらの花に会うためのちょっと乱暴な演出だったのかもしれない。

人との"出会い"や何かの"発見"も案外そんなもので、うまくいかなかったからこそ生まれるものがある。失 敗は新たな出会いのチャンスなのだ。

竜ヶ岳には 3度ほど登ったことがある。笹原の山頂から富士山がドドーンと見えて、大声で叫びたくなる。今日は少しガスっていたが富士山はドンと座っていた。正月、ここからのダイヤモンド富士を見に来たことがあるが、とに角寒くて、リュックのチャックが下ろせなかったことを覚えている。今日は風が強くて、上りでかいた汗があっと言う間に引っ込み、早々に上着を羽織った。温かいもの口に入れようとガスでお湯を沸かしたが、火が燃え移らないかヒヤヒヤものだった。可憐な花と富士山、出会いは必然だったのかも。

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.30 NO152-90 だから出会えた.pdf


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