スタッフブログ
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-81〈出会いの楽しみ〉(2021.3.17)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-81
〈出会いの楽しみ〉
藤野にカタクリの自生地があるので見に行った。が、まだ早すぎたようでチラホラしか咲いていない。目的地を陣馬山に変えて"花見山行"としゃれこんだ。登山目的ではないので、花を探しながらノンビリ歩く。
最初に目に留まったのはカントウタンポポ。まだ西洋に凌駕されずに頑張っている。斜面の畑に生えていたのはトウダイグサ。不思議な花のつき方をしている。暖かいせいか、テングチョウやキタキチョウが盛んに飛び回っていた。キケマンやムラサキケマンは下山道で見つけた。これも、変わった咲き方をする花だ。この花の形はどうやらハチの受粉と関係しているらしい。5弁の黄色い花はヘビイチゴのようだ。地面に這いつくばるようにして咲いていたのはキランソウ。濃い紫がきれいでわざわざ庭に植えている草だ。
この時期、花たちは競って咲き始めるので、うかうかしていると旬を逃してしまう。どこでもいい、行く先々で出会いの瞬間を楽しもうと思う。何に出会えるか、まさにその時の運次第。そこがいいしそれが楽しい。自然は生きているのだ。
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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-79〈自然とわたし〉(2021.3.14)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-79
〈自然とわたし〉
昨日の雷雨で畑はタップリ雨水を吸い込み野菜や草たちも生き生きとしている。目を閉じ4~5回深呼吸をした後、ネイチャーゲームの〈自然とわたし〉をやってみた。椅子に座り、感じ取った周りの自然を1つずつ太ももにあてた指先で体に押し込んでいく。目を開けた瞬間まず飛び込んできたのが青い空と白い雲。そして、菜の花、ヒヨドリの鳴き声、風に揺れる笹、モズ、背中に感じるお日様のぬくもり、遠くの山、ダンコウバイの花、栗の新芽、子どもの笑い声、モンシロチョウ、麦の葉、頬に当たる柔らかな風と続いた。
足元に目を向けると、ナズナ、ホトケノザ、オオイヌノフグリ、葉っぱに付いた水滴、草の芽、テントウムシ、飛び回る虫、自分自身の影、と次々に目に飛び込んでくる。指先で一つずつ押し込んでいくと、自然が体の中に溶け込んでいくのを感じる。と同時に、自分自身もこの花や虫たちと同じ自然の一部としてここにいることが、当たり前の風景になってくる。〈自然とわたし〉は畑でよくやるアクティビティ、自然のリズムに同化していく心地よさを感じるステキな時間だ。
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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-78〈ダンコウバイとサンシュユ〉(2021.3.13)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-78
〈ダンコウバイとサンシュユ〉
公園にもしゃもしゃっとした黄色い花が咲いていた。「サンシュユ?」と思ったが自信はない。
畑に咲いていたダンコウバイと比べたらどうも一緒のようだった。数日後、公園の別の場所で似たような花を見つけた。名札を見たら「サンシュユ」とあった。写真に撮って比べてみたらダンコウバイと明らかに違っていた。サンシュユとダンコウバイの区別がつかなかったが、"よ~く見たら"いろんな違いが見えてきた。
どちらも小さい花の集まりだが、ダンコウバイには花柄がなくボンボンのような形。一方のサンシュユは花柄が長く、かんざしを挿したようだ。もっと違いが分かるのは、木肌と生え方。ダンコウバイは肌がきれいで株立ちだがサンシュユはガサガサの肌で1本立ち。クスノキ科でほんのりいい匂いがするのがダンコウバイで、サンシュユはミズキ科。こんなに違いがあったのに、気づけなかった。
"よ~く見る"ことで、見えなかったものが見えてくる。見えることでまた一つ世界が広がり、ハート銀行に預金がたまる。
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イノッチのシェアリングネイチャー No.152-77〈アサギマダラの幼虫〉(2021.3.12)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-77
〈アサギマダラの幼虫〉
高尾山にハナネコノメを見に行った際、もう一つ収穫があった。アサギマダラの幼虫だ。
「毎日の理科、その思想」を書いていらっしゃる露木和男先生から教えて頂いたもので、キジョランに食痕があったらアサギマダラの幼虫がいる可能性が高いとのことで、歩きながら探してみた。イロハの森に入ったらすぐにキジョランがあり、丸い食痕が見つかった。そんな簡単には見つからないだろうと思いながら、葉の裏を4~5枚めくってみたらラッキーなことにすぐに見つかった。規則正しく並んだ黄色いポツポツが夜行寝台列車の窓のようでカワイイ。
幼虫はキジョランに含まれる毒を体内にため込み天敵から身を守っているとのこと、なかなかの知恵者だ。アゲハチョウの幼虫のように、鳥の糞に見せかけて身を守るものもいるがこちらは毒をため込んで防御している。幼虫も成虫も、敢えて目立つ色をすることで敵から身を守る算段なのだ。
昨年夏、長野の八島湿原で吸蜜している成虫を見つけた。ひょっとしたら高尾山で育った個体がここまで来たのかもしれない。などと勝手な空想をするのは楽しい。何せ、2,000㎞もの距離を旅するチョウだ、高尾山から長野は何でもない距離かもしれない。キジョランは高尾山の至る所にあるので、その気になって探せばたくさんの幼虫に出会えるはず。次は、羽化した成虫にお目にかかりたい。
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3.11に寄りそい、未来につなぐ

東日本大震災の日から、10年が経ちました。
震災の日の後、援助物資の配達の手伝いに行きました。
その後、日本シェアリングネイチャー協会の3役の方と現地の県シェアリングネイチャー協会の方の案内で、各地を回ったことを思い出しました。
その中で、我々のできる支援を相談し、すぐに立ち上げた「お茶っこ広場」には、全国各地の会員の方から、多くの名物のお菓子が集まり岩手、宮城両県シェアリングネイチャー協会の力で何年も続きました。
その後は、熊本地震や、広島の災害でこの経験が生かされています。多くの全国の会員の仲間が、お菓子や、飲み物、寄付を送り、今も支えてくれているのです。
先日も、東北の被災地を回りました、津波で見るも無残な状態だった集落は、きれいに片づけられ、高台には住宅も少しありました。新しい立派な道路ができ、堤防、港湾施設、復興住宅、鉄道や、駅の周りには、新しい活気が感じられました。
震災メモリアルの伝承館は、いくつか作られ、陸前高田伝承館の奇跡の一本松は、ポツンと立っていました。周りの植林が進むと、また松林になる日が来るのでしよう。
しかし、福島の原発近く国道には、相変わらず「帰還困難区域」の看板が、道路や、建物は柵で囲まれていました。近くにある、「原子力災害伝承館」で、語り部のお話を聞きました。
まだ家には帰れない、早く帰りたいというそのお話は、心を打つものでした。
最後に何を質問してもいいというので、一人の方が、「原発は賛成ですか、反対ですか」と聞きました。
この方は、躊躇しておられましたが、「やはり反対だな」と言いました。
私たちは、どこに住んでいようと、いつまでも、3.11を忘れることなく、この先の未来を考えていきたいものです。
2021.3.11
公益社団法人日本シェアリングネイチャー協会
代表理事 西澤信雄
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-76〈10回目の3.11〉(2021.3.11)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-76
〈10回目の3.11〉
今日は10回目の3.11、あれからもう10年が経ってしまった。10年経ってもまだ元の場所に戻れない人、悲しみや絶望や後悔で前に進めない人、インフラや建物が復旧しても心が取り残されたままの人、まだまだたくさんの人があの時の時間を背負ったままでいる。
震災後、ボランティアの真似事で何度か被災地を訪れたが、被災された方がどんな思いで日々を過ごしていたのか想像でしか分からないし、実際はそんな想像をはるかに超えたところで遺された方たちは必死に生き抜いてきたに違いない。
大川小学校にも何度か訪れたが、行くたびに津波に飲み込まれた子ども達の阿鼻叫喚が耳に届き、とても辛かった。だが家族にとってはそんな部外者の合掌など何の慰めにもならなかっただろう。
午後2時46分、畑で静かに手を合わせた。手を合わせ、決して忘れてはならないと誓うことで自分自身に折り合いをつけた。今はそれしかできないが、いずれコロナが終息したら、また石巻に行ってみようと思う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.3.11 NO152-76 10回目の3.11.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-75〈ハナネコノメ〉(2021.3.10)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-75
〈ハナネコノメ〉
"ハナネコノメ"がそろそろ咲き出す頃かと思い、高尾山に行った。去年は6号路に咲いていたが、今工事中で通れない。日影沢で探すことにした。
なかなか見つけられなかったがそれらしい人が写真を撮っていたので行ってみたら案の定ハナネコノメ狙いの人たちだった。川沿いの岩にしがみつくように数株が咲いていた。マッチ棒のような赤いおしべと白いガク片のコントラストが鮮やかで、カワイイ花だ。
一昨年の台風19号で大分流されたらしく、"ここしか残ってない"と近くの人が教えてくれた。渓流沿いを棲みかとしているが昨今のようなゲリラ豪雨の濁流が押し寄せたらひとたまりもないだろう。動物のように簡単に居場所を変えられない植物、気候変動にどれだけ対応できるのか心配だ。
一方こちらは、"ヨゴレネコノメ"。名前からしてすでにハンディがあるかわいそうな花だ。派手さはないが、特徴的な黄色い包葉は、玄人好み。こういう脇役がいるからこそ主役が引き立つのだ。赤や黄色やピンクの花ばかりだったら、落ち着かない。人もきっと同じ、その他がいるから花が花でいられる。
▶PDF版をダウンロードする 2021.3.10 NO152-75 ハナネコノメ.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-74〈白の共演〉(2021.3.9)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-74
〈白の共演〉
相模原公園のハクモクレンが咲き始めた。まだ開き始めたばかりの花弁は汚れのない白無垢のようで青空によく映える。
冬の間、固い蕾の中に小さく折り畳まれていた花弁が春の訪れとともにゆっくり開き始め、お日様に促されるように全開する。チョウのさなぎが殻を破り手足を伸ばし、翅を広げていく様とよく似ている。
遠くから見ると、木全体に白い鳥が止まっているかのようで、そこだけパッと明かりがついたようだ。一つ二つではなくいっぱい咲いているのがいい。何十何百という花が集まっての初舞台であり今期限りの公演でもある。
折しも、白い雲も加わって"白の共演"が実現した。青い空に白い雲、生まれたばかりのハクモクレン、3拍子揃った共演に道行く人も皆立ち止まっていた。
▶PDF版をダウンロードする 2021.3.9 NO152-74 白の共演.pdf
イノッチのシェアリングネイチャー No.152-73〈庭で孫とネイチャーゲーム〉(2021.3.7)
イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-73
〈庭で孫とネイチャーゲーム〉
孫の面倒を見ることになったので、畑に連れ出しネイチャーゲームをした。
1つ目にやったのは「フィールドビンゴ」キッズバージョン。木のみ、あり、きのこ、いいにおい、ふわふわ、たべあと、鳥の声、ちくちく、くものすの 9 項目を探す。時間がかかるかと思ったら、5,6分で全て探し出してしまった。何度もやっているせいか、結構見つける目は持っているようだ。菜の花をさわって"ふわふわだ!"と思いもよらないふわふわを発見したのにはビックリ!
次にやったのは「サウンドマップ」。聞こえてきた音を記号に表すアクティビティだ。初めてやったが、ちゃんと座って周りの音に耳を澄ませている。3人寄ればいつもけんかするかじゃれ合っている彼らだが、こんなに落ち着いて音を聞けることに正直驚いた。
焚き火で温まった後は恒例の"穴掘り"。畑に来ると必ず穴を掘ることが決まりのようになっている。ひたすら穴を掘ってその中に入るだけ の遊びに夢中だ。1 時間ほどで1m近くの深さまで掘って、ご満悦。何度も出たり入ったりして自分たちで作った遊び場で楽しんでいた。黙っていれば ゲームやテレビが遊び相手だが、外で遊ぶのも嫌いではない。身近な場所に遊び場さえあればきっとゲームの時間も少なくなるはず。 これからも都合つけてできるだけ畑に連れ出そうと思う。
▶PDF版をダウンロードする 2021.3.7 NO152-73 孫と畑でネイチャーゲーム.pdf
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