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自然を楽しむ・自然から学ぶの記事一覧

イノッチのシェアリングネイチャー No.152-72〈庭のカタクリ〉(2021.3.6)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-72

〈庭のカタクリ

今日は 20 度を超える暖かさで外にいると汗ばむほどの陽気。午前中は全国のネイチャーゲームの仲間とオンラインでの研修会だったが、北海道から沖縄までの参加者がいると、冬・春・夏の季節が疑似体験でき、改めて日本列島の豊かな自然を感じることができた。四季が感じられるのは嬉しいが、果たしてこの先ずっと四季が感じられる日本であり続けるのか心配ではある・・・。

研修が終わって庭に出てみると、カタクリの花が咲いているのに気づいた。葉が出て、つぼみが膨らみ始めていたが、ついに今日開花となった。毎年春の訪れを知らせてくれるスプリングエフェメラル、まさに春の妖精だ。カタクリはアリが運んだタネから増えるらしいが花が咲くまで7~8年はかかるとのこと。気の長い話だ。今年咲くのはこの3株だけ。かつてはあちこちの里山に群生していて"かたくり粉"として利用していたという。

2年前山形の道の駅でカタクリの花が売られていた。どうするのかと聞いたら、酢の物にして食べるとのこと。早速、一束(20本くらいだろうか)買って酢の物で食べてみた。クセがなくとっても美味しかったのを覚えている。カタクリを身近な食材として利用していた時代きっとハコベのような存在だったのかもしれない。

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.6 NO152-72 庭のカタクリ.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-71〈伝統色で色合わせ〉(2021.3.5)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-71

〈伝統色で色合わせ

日本シェアリングネイチャー協会から、〈伝統色の森の色あわせ:春バージョン〉のハガキが届いた。桜、長春、山吹、鶯、萌黄、若竹、空、藤、菫の 9 種だ。長春だけが初めて聞く名前なので調べてみると、〈長春色とは、灰色がかった鈍い紅色のことで古く中国から渡来した「庚申薔薇」の漢名「長春花」からきており、この薔薇の花が色名の由来で す〉とあった。なかなか渋い薔薇色だ。

さっそく、庭でどれだけ合わせられるかやってみることにした。丁度春の花が咲き始めているので、すぐにも見つかりそうだ。桜色は、梅の花がドンピシャリ!藤色はハナニラがほぼぴったりだった。空色はなかなか見つからなかったが、キュウリグサのちっちゃな花がそっくりだった。山吹色にはキンカンが合っていたが、写真で撮るとキンカンの方が濃く見えた。

今日は啓蟄、虫と同じく草花も萌え始める時期。日本の伝統色カードを持っての色合わせはウキウキする。こんなハガキをもらったら、コロナ禍で巣ごもりしている子ども達も外に出るきっかけになるかもしれない。知り合いにも紹介したくなった。

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.5 NO152-71 伝統色で森の色合わせ.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-70〈夕闇に浮かぶ菜花〉(2021.3.4)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-70

〈夕闇に浮かぶ菜花

夕方畑に行って一仕事、寒くなってきたのでそろそろ帰ろうとしたら丁度日が沈み始めたところだった。鮮やかな黄金色した菜の花は、だんだんに色を失いかけてきて夕闇に溶 け込んでいく。こんな姿もステキだなと早速カメラを向ける。

昼間の菜の花は混じりっ気のない真っ黄色をまき散らし「私が主役」とばかりに畑で咲き誇っているが、日が沈めばもう出る幕はない。黄色は闇に飲み込まれていく。だが、、、、色を失っても菜花には別の顔があった。

一切の装飾を排除し黒に変身した"夜の顔"だ。昼間の元気いっぱいの少女のような顔は、夜になると一変する。しどけない立ち姿で風に揺れる様子は、竹久夢二 のような美人画(チョット飛躍しすぎ?)を思わせる。まさかこの姿に誘われて蛾が寄っ てきたりはしないだろうが、夜の顔もまた昼に負けずに魅力的だ。

花も虫も鳥も季節や時間帯によってきっといろんな顔を持っている。視点を変えるだけでも違った顔が見えてくる。どんな顔を見つけられるかは全て見る者の見ようとする"意思力"→意視力(造語) にかかっている。

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.4 NO152-70 夕闇に浮かぶ菜花.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-69〈ヒキガエル〉(2021.3.3)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-69

〈ヒキガエル

暖かい陽気に誘われるかのように、ヒキガエル が池の周りに集まり始めた。記録をとっているわけではないので、3 月2 日が早いのか遅いのかは分からない。1 日の夜は2 匹だったのが、2 日の夜には 12 匹ほど確認できた。植え込みの下や水中に隠れていたりすると分からないので、実態はもう少し多いかもしれない。

例年だとメスを巡った争いが起こり、池の中はぐちゃぐちゃになるのだが、今年はカエルの動きが鈍い。池から離れた場所で抱接していた 1 組を見つけたが、他のペアは見つからない。どうやら、オスばかりのようであぶれたカエルがあてもなく池の中や周りでウロ ウロしている様子だ。

ウーンなんとも可哀そうだが、こればかりはどうしようもない。

一匹のメスを巡ってあぶれたオスが果敢にメスに飛び乗ろうとするが、先に乗っている大きなオスに足蹴にされてスゴスゴと立ち去る哀れなオス。

自然界の生き物は生殖活動においても力づく、強いものしか生き残れないし、強いものの遺伝子しか残せない仕組みになっている厳しい世界なのだ。ヒキガエルの寿命は自然界ではせいぜい 3~4 年らしい。庭で草むしりをしていると、落ち葉の下や土の中からヒョッコリ出てきて、思わずビクッとするのだが、どこにいるのか毎年この時期にはかなりの数が集まる。

それだけエサも豊富にあるということだが、孵化したコガエルも他の生き物のエサとなる。命の連鎖だ。

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.3 NO152-69 ヒキガエル.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-68〈一滴の水〉(2021.3.2)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-68

〈一滴の水

久しぶりの雨でぱさぱさの畑の土が少し落ち着いた。空気中のほこりも洗い流されて透明度が増した感じだ。大きく2 度3 度と深呼吸すると新鮮な空気が体中に染みわたるようでシャキッとする。生き物にとって水はなくてはならないもので、芽吹き時の新芽や草花のタネもきっと待ち望んでいた雨に違いない。

日本にいると水のありがたみはあまり分からないが、海外に行くと水がどれほど貴重なものか思い知らされる。安心安全な水が蛇口からあふれ出てくる国は稀なのだ。

考えてみれば雨の一滴はやがて川となり海に注いでまた雨を降らす。

固体、液体、気体 と姿形を変えて旅を続ける、その途中の姿が一滴の雨水なのだ。

凶弾に倒れた中村哲さんが、「百の診療所より 1 本の用水路を」と、干ばつで苦しむアフガニスタンの農民と自力で用水路を作った話は有名だ。

時として洪水や津波、雪崩で人の命も奪ってしまう水だが、水がなければ生きてはいけない。一滴の雨水、その一粒一粒は命を支えるなくてはならない一粒。さっき流したトイレの水がどれほど貴重なものか改めて考えてみる。

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.2 NO152-68  一滴の水.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-67〈またまたヒヨドリ〉(2021.3.1)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-67

〈またまたヒヨドリ

畑仕事をしているといつの間にかヒヨドリが飛んできて、野菜の葉を食べ始める。被害に遭うのは、ブロッコリ ー、スティックセニョール、ハクサイなどだ。

年末にはプルーンの葉を食べられたが、この時期は手当たり次第に食べつくす。人が食べる花蕾の部分は食べないので目をつぶっているが、葉はボロボロになってしまう。人が近づくとすぐに飛び去ってしまうが、いなくなるとまたやってくる。

ハクサイはまだ結球しないうちに食べられると被害が大きいでネットをかぶせたが、この時期はもう外してしまう。すると "待ってました"と食べにくる。毎年こん なことの繰り返しだ。

元々は山間部にいた鳥だがカラスやスズメと同じように人間の暮らしにうまく適応してすっかり身近な鳥になってしまった。畑や庭の隣人としてこれからも長い付き合いになりそうだ。

いたずら坊主ほど可愛いいと言うが。さて!?

▶PDF版をダウンロードする 2021.3.1 NO152-67  またまたヒヨドリ.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-66〈ホトケノザを撮る〉(2021.2.28)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-66

〈ホトケノザを撮る

ホトケノザが今一番きれいなとき、撮り時だ。人で言えば 17,8 の乙女か?いやいや、野 山をかけ回る少女のようでもあるし、時に若妻のような色香も漂わせる魅力的な花だ。

ホトケノザ、被写体としての魅力は尽きません。

▶PDF版をダウンロードする 2021.2.28 NO152-66  ホトケノザを撮る.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-65〈庭の草〉(2021.2.27)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-65

〈庭の草

庭に早春の草花が咲き始めた。オオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、タネツケバナ、キュウリグサ、ハコベたちだ。

うかうかしていると背丈の高い草に埋もれてしまうので今のウチに花を咲かせタネを残そうという戦略だ。この時期はまだ遠慮がちで葉もロゼッタ状のものが多いのだが、気温の上昇と共にあっと言う間に手が付けられなく なってしまう。

寒風の中、健気に花を咲かせる小さな草に同情しているととんでもないことになってしまう。心を鬼にして対処しないと・・・。"雑草"と一くくりにされてしまう花たちだが、受け止め方は人それぞれ。春の訪れを告げてくれる花たちに感謝しつつ、 見苦しくない程度に代表数株のみ残っていただこう。

▶PDF版をダウンロードする 2021.2.27 NO152-65  庭の草.pdf


イノッチのシェアリングネイチャー No.152-64〈イカルがいる公園〉(2021.2.26)

イノッチファームでシェアリングネイチャー NO152-64

〈イカルがいる公園

いつもの散歩コースを歩いていると、何やら歩道上にせわしなく動いている物体が。イカルが集団でエサをついばんでいるようだっ た。その数 30~40羽ほど!20 メートルくらい離れていただろうか、そんなに離れていてもエサを食べる"ピチピチ"という音が聞こえて来る。

イカルが飛び去った後、地面を見てみると"エノキ"の実が落ちていて、きれいに割れていた。トレードマークの黄色い嘴は堅い木の実を割るのに都合よくできていて、 噛む力は 3~4 ㎏にもなるそうだ。あの小さな 体は 70g前後らしいから、噛む力は実に体重の 50 倍ほどの力になる。60kg の私に換算する と、3,000kgという途方もない力だ。

エノキ以外にも堅い木の実を好んで食べるようだが、自然界の生き物にとって エサや棲みかとなる環境はそのまま生死を左右する大事な要素となる。翻って、人が生き続けられる地球環境は果たしてこのままでいいのかと、イカルに問われ ているような気がする。

▶PDF版をダウンロードする 2021.2.26 NO152-64 イカルがいる公園.pdf


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